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コラム

荊冠旗 第2699号/15.01.19

 分厚い学術的な本がベストセラーになっている。「左翼ロックスター経済学者」とよばれるトマ・ピケティ著の『21世紀の資本』がそれだ。なんと728ページ、5500円
▼かつてアントニオ・ネグリ、マイケル・ハート共著の『帝国』という分厚い本、浅田彰の『構造と力』という難しい本がベストセラーとなったことがあった。こんなもの、本当に読者は理解できているのだろうか、と疑問をもったが、今回も同様だ
▼ピケティ本の中身は、平たくいえば200年間のデータを使い、資本主義は格差を生み続けている、いまはそれがますます拡大している、ということだ。格差は社会が直面している課題だけに読者の関心をよび、売れるのだろう
▼日本の相対的貧困率は16.1%、先進国中4位の高さだ。こうした格差は「戦争や課税強化がないと野放図に拡大していく」ことを示し、「金持ちは世代を通じて(相続で)金持ちであり続ける」ことも、同書は明らかにしている。ピケティはグローバル富裕税の必要性などを格差拡大の対処策として説く
▼ピケティはフランス人。マルクス著『資本論』の主舞台はイギリスだった。しかし、近代国民国家形成の端緒を切り開いたのはフランス大革命だった。自由・平等・博愛がその精神だ
▼フランスでのテロ事件に370万人が抗議デモに参加した。アラブ系移民労働者への憎悪をかきたてない、博愛をくみこんだデモであってほしい。

 

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