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「戦争法案」の強行成立にたいする抗議声明

 自民党、公明党の与党は、9月17日、参議院安保特別委員会で「戦争法案」(安保関連法案)を強行採決し、19日、本会議で可決した。これは、連日、国会を取り囲む「憲法守れ」「戦争反対」の広範な人びとの声や、この国の民主主義のありようと真剣に向き合い、平和で人権が守られる社会をめざして全国各地で反対運動にとりくむ、広範な世論を無視した暴挙である。
今回の強行採決は、安倍政権が「法律が成立すれば国民の理解は深まる」などと、みずからの説明不足を認める一方、圧倒的な反対運動によって追い詰められ、当初から結論ありきで、法案成立を図るという、民主主義を否定する姿勢をあらわしたものだ。
私たちは、この「戦争法案」が、昨年7月の集団的自衛権容認という憲法違反の閣議決定にもとづくものであり、憲法破壊を許さず、人権と平和、民主主義の確立をめざして闘いにとりくんできた。今回の安倍政権による強行採決で法案は成立したが、私たちは、「戦争法案」の廃案に向けて、これまで以上に広範な闘いにとりくむ決意を新たにしよう。
「戦争法案」は、安倍政権の反人権主義の本質を露呈したものであり、米国に一方的に追従し、自衛隊の戦争参加のための海外派兵をすすめるものである。しかも、委員会審議で明らかになったように、「後方支援」も「武力行使」も、すべて戦争行為であり、「ホムルズ海峡機雷封鎖」や「邦人輸送中の米艦防護」などを取りあげた「安全保障環境の変化」という安倍首相が強調する法制の必要性も、安倍首相みずからが否定するなど、説得力のある説明はまったくできなかった。こうした審議のなかで、この法案の違憲性が明らかになり、人びとの反応は、各種世論調査にみるように圧倒的に反対が上回った。
しかも、「法的安定性」も必要ないという安倍政権のなりふりかまわぬ法案成立の狙いが「戦争をする国」づくりであり、政権の恣意的な判断のみが自衛隊の海外派兵の根拠であることが明確に示された。自衛隊による海外での戦争行為は、必然的に、この国や社会を戦場にすることでもある。
しかし、私たちは、安倍政権が最優先してきた「夏までに法案を成立させる」という米国との約束を阻止し、「戦争法案」の廃案と安倍政権退陣をめざして、これまでにない広範な反対運動と連帯して闘いをすすめてきた。この闘いは、敗戦後70年間、平和憲法のもとで根づいてきた日本の民主主義の証明であり、国会を包囲する若者たちの行動こそ、これからのこの国の民主主義の希望である。
この間の「戦争をする国」づくりをめざした戦前回帰の政治がすすめられるなかで、人権問題が大きく後退している。とくに国連人権条約関係機関から厳しい勧告を受けているヘイトスピーチのように、公然と差別を扇動する暴力的な排外主義が台頭してきている。こうした社会情況は、深刻化する格差拡大社会のなかで、社会保障費の削減や労働法制の改悪、沖縄新基地建設、原発の再稼働推進など、安倍政権がすすめる人権無視の政治が生み出したものだ。
「戦争は、最大の差別であり人権侵害である」という松本治一郎元委員長の遺訓と、戦前の歴史的教訓をふまえ、戦争反対の広範な闘いをすすめなければならない。「戦争法案」は強行成立したが、闘いはこれからだ。次世代への責任と希望は、この闘いのなかにある。
安倍政権の暴挙を許さず、人権と平和の確立、民主主義の実現に向けて全力で闘い抜こう。
2015年9月19日
部落解放同盟中央本部

 

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