部落解放同盟ガイド
見解

 

大 会 宣 言

敗戦・被爆から70年。われわれは、あらためて戦争と差別に反対する闘いの強化を誓い合おう。安倍政権は「特定秘密保護法」の施行、集団的自衛権容認の閣議決定による「自衛隊法」の改定など、「戦争のできる国」づくりに向けた策動を強めている。しかも、
「イスラム国」の日本人男性殺害に報復を言明し、武力行使支援を打ち出している。われわれは、「イスラム国」の残虐な行為と,暴力による地域支配に断固反対するが、武力行使は暴力の連鎖を生み出すしかない。
  今日、格差拡大社会がすすみ、差別と貧困の問題は、ますます深刻化している。人間らしい生活が奪われ、一方でヘイトスピーチのように差別排外主義が公然と台頭している。さらに社会への不安や不満は安易に差別へと向かい、閉塞感の深まるなかで、攻撃的な差別言動として現出している。
  本年は「同和対策審議会」答申50年、『部落地名総鑑』事件発覚40年の節目の年である。「特措法」時代33年間を含めて、残された課題を明らかにし、あらためて部落問題の解決に向けた行政闘争を強化しよう。また、戸籍等大量個人情報不正取得事件や土地問い合わせ差別事件をはじめ、インターネット上での差別情報の氾濫、ヘイトスピーチなど、確信犯的な差別事件が続発している。われわれは、差別糾弾闘争を断固として闘い抜き、差別の実態を広く訴え、社会変革に向けてとりくみをすすめよう。人権の法制度の確立、とくに人権侵害救済制度の創設は、なによりも急務の課題だ。これまでの闘いの積み上げを確認し、新たな体制のもとで、広範な闘いを創り出そう。
 半世紀以上におよぶ狭山の闘いは、いよいよ大きな山場を迎えている。今年こそ、再審を実現し、石川一雄さんの無罪をかちとろう。映画上映やパネル展など闘いは大きく拡がっている。検察の証拠隠しを許さず、証拠開示と事実調べを実現するために闘いを強化しよう。さらに「人権のまちづくり」運動の推進や「人権教育・啓発推進法」を活用し、同和・人権教育や部落問題解決に向けた行政施策の推進、反差別国際連帯活動など、今日的な部落解放運動の課題にもとりくんでいかなければならない。また、われわれの闘いの原点でもある「全国水平社創立宣言」の世界記憶遺産の登録実現に向けてとりくみを大きく盛り上げよう。
  本年の統一自治体選挙も重要な闘いである。まずは組織内、推薦候補の必勝をかちとり、地域から、あらためて人権・平和・環境を基軸にした政治の実現に向けた闘いをすすめよう。また、憲法改悪や軍事費の増大、社会保障費の削減と労働法制改悪などに反対し、脱原発の闘いにも積極的にとりくもう。さらに、東日本大震災の復興に向けて継続した支援活動を強化しよう。
  今日、荒廃し、閉塞化する社会のなかで、部落解放運動の果たす役割はますます重要になっている。いっさいの差別排外主義を許さず、社会連帯をめざす協働・連帯の闘いをすすめよう。組織強化と人材育成にとりくみ、部落解放を成し遂げる組織と運動の再生をかちとろう。克服すべき課題は山積しているが、われわれは、部落差別撤廃に向けた広範なとりくみをすすめるとともに、人権と平和の確立、環境問題を共通の課題としながら、広範な協働の闘いを強化していかなければならない。
  今こそ、すべての差別からの解放をめざし、あらゆる闘いのなかに荊冠旗を打ち立てよう。「人の世に熱あれ、人間に光あれ」と結ばれた「全国水平社創立宣言」の部落解放−人間解放に向けた崇高な思想性は、漆黒の世の中にこそその輝きを増すのだ。
  「よき日」に向けてともに奮闘しよう。

 以上 宣言する。
2015年3月3日
部落解放同盟第72回全国大会

 

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