部落解放同盟ガイド
見解

 

5.24集会アピール

 53年前の5月23日、警察は当時24歳だった石川一雄さんを別件で逮捕し、女子高生殺害の取調べを連日おこなった。警察、検察は別件逮捕、再逮捕というやりかたで1ヵ月以上におよぶ厳しい取調べを続け、無実を叫ぶ石川さんに、弁護士や家族との接見を禁止し、兄を逮捕すると脅してウソの自白に追い込んだのだ。この53年前の取調べの実態が証拠開示された録音テープによって暴かれた。石川さんは、字を知らないから脅迫状など書いていないと訴えたが、自白直前の取調べテープには、警察官らが「脅迫状を書いたことに間違いない」「なぜ書いたか供述する義務がある」と決めつけて自白を迫る場面が録音されていた。不当な自白強要の実態が取調べテープで明らかになった。さらに、文字を筆記している場面の録音から、石川さんが警察官に手助けされながら、すべてひらがなで書いているにもかかわらず、正しく書けていないことも明らかになった。当時の石川さんは部落差別によって教育を奪われた非識字者であり、脅迫状を書いていないことは明らかだ。弁護団は昨日、取調べテープを分析した再審理由補充書を提出した。犯人でないがゆえに犯行内容を語れない石川さんに対して、取調官が誘導して自白させていることが取調べテープから明らかになっているのだ。「矛盾なくスラスラ自白した」「言う通りに自白調書を作成した」などという警察官の法廷証言はまったくウソだったのだ。取調べ録音テープは石川さんの無実を示す決定的新証拠である。

 5年前のきょう布川事件で杉山卓男さん、桜井昌司さんに再審無罪判決が出された。再審開始のカギとなった当時の毛髪鑑定や現場で別人を目撃した証言は証拠開示で明らかになったものだ。法医学者等の鑑定人尋問もおこなわれ、自白の矛盾も明らかになり、再審無罪判決は、そもそも客観的な有罪証拠はなく、自白調書は捜査官の誘導等によってつくられた可能性も否定できないと断じた。足利事件も袴田事件も狭山事件も冤罪の構造は同じだ。証拠開示と事実調べが再審では不可欠である。しかし、狭山事件では有罪判決以来41年以上、一度も事実調べがおこなわれていない。第3次再審請求で弁護団がこれまで提出した182点の新証拠の多くは証拠開示であらたに発見されたものであり、専門家による科学的な鑑定である。東京高裁第4刑事部の植村稔裁判長は今度こそ鑑定人の尋問など事実調べをおこなうべきである。

 また、弁護団の証拠開示請求に対して、東京高検の検察官は「必要性・関連性がない」などとして開示に応じていない。しかし、今年2月には4300件もの事件の捜査資料や証拠品が30年以上にわたって検察に送られず放置されていたという大阪府警のずさんな証拠管理が明るみに出て問題になったではないか。検察官が「不見当」だけですませることなく、埼玉県警の証拠物リストなどを開示するよう東京高裁は強く促すべきである。

 第3次再審請求が申し立てられて10年をむかえて、いまが正念場である。わたしたちは、部落差別が冤罪の背景にあったことを決して忘れることなく、決意をあらたに狭山事件の再審実現にむけた運動をすすめなければならない。狭山事件の第3次再審請求で、徹底した証拠開示と事実調べがおこなわれ、再審が開始されるよう強く求める。東京高検以外の証拠物一覧表、捜査書類をふくめた全証拠リストを開示するよう求める。袴田事件の一日も早い再審開始確定と無罪判決、すべての無実を叫ぶ人たちの再審開始を求める。そして、冤罪被害者や支援運動と連帯し、司法反動を許さず、再審における証拠開示制度の確立や取調べ全面可視化など冤罪をなくす司法改革を実現する闘いを全力ですすめる。一日も早く石川さんの「みえない手錠」をはずすために、狭山事件の再審を実現しよう!

2016年5月24日

狭山事件の再審を求める市民集会 参加者一同

以 上

 

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