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NEWS & 主張

暗黒社会の道を許すな
共謀罪新設の危機
法案提出が早まる可能性も

「解放新聞」(2015.03.02-2705)
実行を「合意」した段階で処罰へ→日常的な会話やメールも監視し
  【兵庫】かつての「治安維持法」より悪法、ともいわれる共謀罪を新設しようという動きが強まっている。2月7日午後、2.7市民集会「その会話で逮捕?-共謀罪を考える-暗黒の社会への道を許すな」が神戸市・兵庫県弁護士会館でひらかれ、法案の提出時期は、マスコミ報道がされている秋の臨時国会ではなく、抜き打ち的に早まり、5月の連休明けからはじまる通常国会に提出される可能性が示された。
  主催は、兵庫県弁護士会。60人をこえる参加者が、市民社会を密告社会に塗りかえる共謀罪の怖さをあらためてかみしめ、反対していく意思を表明した。
  集会では、日弁連共謀罪法案対策本部の海渡雄一・副本部長(弁護士)が基調報告をおこなったほか、パネルディスカッションやクイズで共謀罪についての理解を深めた。
  共謀罪法案は、2003年いらい国会で3回も廃案になり、09年の廃案後は動きをひそめていた。しかし、12年の安倍政権誕生とともに、テロ対策を口実にふたたび浮上してきた。今年1月14日には、政府が集団的自衛権の関連法案を優先させ、共謀罪法案の通常国会への提出を見送ったというニュースが流れたが、あらためて通常国会に法案を提出しようとしている動きが明らかになってきている。
  法案の中身は明らかにされていない。過去に提出された政府の法案をみると、二人以上が犯罪をおこなおうと話して合意した場合。法定刑の長期4年以上の犯罪すべてを対象にしており、その数は600種類におよぶ。窃盗、収賄、傷害、詐欺、恐喝、有印私文書偽造などもふくまれ、共謀罪が成立しない犯罪のほうが限られているといっていいぐらいだ。
  共謀罪は、犯罪の行為を処罰するという近代刑法の原則に反するもの。実行を「合意」した段階で処罰するため、警察の捜査も、市民の日常的な会話やメールを監視するようになる。また、実行前に自首すると刑を軽くするという密告奨励制度があり、密告社会を生む危険性と、悪用される可能性が大きいことから、えん罪事件も心配される。
  共謀罪を新設する理由として、政府は「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」批准にあわせた国内法整備をあげているが、銃の所持を認めているアメリカと比較しても日本の法整備は厳しく、日弁連は、共謀罪がなくとも条約批准は可能としている。
  海渡弁護士は、「政府はテロ対策で必要と説明しているが、だまされてはいけない。国連の組織犯罪にはテロが入っていない。暴力団やマフィアを取り締まる条約だ」と指摘。政府があらためて出そうとしている法案は、名称が変わる可能性があることにも言及し、「危険性を減らすことにはならないから、私たちは共謀罪とよぶ」と強調した。
  また、戦前の満州事変で日本の関東軍がおこなった南満州鉄道爆破事件(1931年、柳条湖事件)の謀略について、「中国軍がおこなった」と15年間も日本人がだまされてきた史実を紹介。「真実が明らかにできなくなると国の進路を誤る」と語り、歴史を知ること、ひるむことなく政権批判の発言をしていく重要性を訴えた。近年みられるジャーナリズムの萎縮傾向も指摘し、「心あるジャーナリズムを市民が支え、市民に役立つメディアに育てる」ことも必要、と締めくくった。

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