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「同和対策審議会」答申50年をふまえ、
   同和行政・人権行政の推進に向けた全国行動を成功させよう

「解放新聞」(2015.05.25-2716)

 3月に開催した第72回全国大会では、「同和対策審議会」(同対審)答申50年、「部落地名総鑑」差別事件発覚40年をふまえ、これまでの「特別措置法」時代の部落解運動の成果と課題を総括し、今後の同和行政・人権行政の推進に向けた論議と全国的なとりくみを提案した。また、「部落地名総鑑」差別事件糾弾闘争についても、差別根絶に向けた社会制度の変革、さまざまな方策の創設など、これからの差別糾弾闘争のあり方を論議し、課題や教訓を共有化すること方針化した。
  第1回拡大中央委員会では、この方針提起の具体化に向けて、7月から9月にかけて「同対審」答申50年を大きな節目として、都府県行政への要望行動を中心にしたとりくみを提起した。また、この「答申」50年を記念した都府県連での記念集会や学習会、パネル展など、「答申」の意義を広く訴えるとりくみもすすめてもらいたい。
  とくに都府県連では、33年間にわたる「特別措置法」のもとでの住環境整備を中心にした具体的な成果や課題をしっかりと総括し、これからの同和行政・人権行政の推進を求める行動に全力でとりくもう。
  「答申」は、「同和問題は人類普遍の原理である人間の自由と平等に関する問題であり、日本国憲法によって保障された基本的人権にかかわる課題である」として「その早急な解決こそ国の責務であり、同時に国民的課題である」と明記している。このように、「答申」は、部落問題の解決に向けた責任は国・自治体にあることを明らかにするとともに、これまでの行政施策が、計画性や総合性に欠けていたと批判し、国や自治体が部落差別の撤廃に真剣に向き合うべきであることを提起しているのである。この「答申」の精神は、今日にも受け継がれなければならないものであり、「特別措置法」後にあっても、それぞれの地域の具体的な部落問題解決につながる課題を明確にすることが求められている。



 1965年8月に出された「同対審」答申と、69年に制定された「特別措置法」は部落解放運動を大きく前進させた。とくに「特別措置法」によって地域の住環境は大きく改善され、部落解放同盟への結集力を強めたのである。また、この「答申」にいたる闘いとして、1950年代の大衆的な国策樹立運動が全国的に展開され、審議会が設置されるとともに、この審議会に当事者として部落の代表が参加したことも、この「答申」の意義を深める背景となっている。
  今日、「特措法」後の部落解放運動の課題は、一定の成果をあげた住環境の改善にもかかわらず、いまだに部落差別の実態が解消されていないことであり、一方で、老朽化した公営住宅など、これまでの成果としてあったものが、新たな貧困と格差を生み出している点も取り上げられている。
  こうした今日的な困難な課題は、「答申」が指摘している行政施策の総合的、計画性の欠如が繰り返されてきたことにあり、これまでの「特別措置法」の限界でもある。しかし、当時の応急措置的な行政施策としての環境改善の全てを否定するものではないし、われわれ運動側にも反省すべき点もある。であるからこそ、そうした今日的な課題を直視し、一方的に行政施策を求めるのではなく、行政との連携を深めながら、地域の課題解決のためにとりくむことが求められているのである。
  「特措法」による住環境改善での教訓、課題を総括し、これからの地域のあり方を模索し、一般地区も含めた人権のまちづくり運動は、こうした貴重な歴史的経験をもつ部落解放運動こそが先進的にすすめることのできる大衆的なとりくみである。「答申」50年という大きな節目をふまえて、あらためて部落解放運動の原点でもある、要求の組織化と実現に向けた活動を全力ですすめよう。


 「答申」50年の総括では、こうした部落解放運動の闘いの前進、組織の拡大などの一方で、とくに「特措法」のもとでの同和対策事業をめぐる、組織と運動の行政依存体質と利権や不祥事という否定的な側面を生み出したことの背景、原因についても明らかにしていかなければならない。部落差別撤廃に向けたとりくみでは、運動も行政もそれぞれの役割を明確にしながら、とりくみをすすめることが必要であったが、そうした役割分担が未分化のまま、共依存の側面があったことを教訓化しなければならない。また、幹部請負主義の発生もまた、行政依存体質の深まりのなかで、利権や不祥事の要因ともなった。
  部落解放運動は、再生に向けた「提言」にもあるように、大衆組織としての支部の活動を基礎にしながら、組織の民主的運営とともに、社会的信頼の回復に全力をあげている。これまでの部落解放運動の成果を大きく拡げ、部落差別撤廃・人権政策確立に向けたとりくみを実直にすすめることが求められている。
  今日、安倍政権が安保法制による「戦争をする国」づくりを強行し、憲法と民主主義を破壊しようとしている。さらに、差別身元調査や土地差別調査などの差別事件、国連人種差別撤廃委員会から厳しい勧告を受けているヘイトスピーチなど、差別排外主義が公然と台頭してきている。こうした人権情況の後退のなかで、敗戦後、戦前の戦争協力への反省も含めて、一貫して人権と平和の確立、民主主義の実現に向けて奮闘してきた、部落解放同盟の闘いの意義と役割はますます重要になっている。 「答申」50年という大きな節目に、「答申」の意義と役割を明らかにするとともに、、これまでの部落解放運動のあり方をしっかりと総括し、その論議をもとに、部落完全解放に向けたこれからの部落解放運動の方向を打ち出し、全国行動を全力でとりくもう。


 

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