NEWS & 主張
焦点 派遣法改正でどうなる
村田憲彦 連合大阪副事務局長
ねらいは生涯″ハケンで低賃金″
「解放新聞」(2015.10.19-2735)
正社員ゼロをめざす労働法規制緩和
  国会では、与党の数の暴力による戦争法可決・成立の陰に隠れるように、改正労働者派遣法が9月11日に成立、30日から施行となった。2回の廃案をへて成立した改正労働者派遣法の可決・成立前に、同法をふくめた労働法規制緩和について、連合大阪副事務局長の村田憲彦さんを講師にむかえた学習会をもとに報告する。

 安倍政権は、経営者による自由な経済活動のために法体系を変えようとしている。労働組合は既得権をもち、さまざまな制約をかけるので経済が停滞しているという理屈で、経営者が勝手に労働者を解雇できない「整理解雇の4要件」など労働者の権利まで攻撃している。
  2001年からの第1次小泉内閣の安倍官房長官は2006年に首相になったが翌年に辞任。2008年のリーマンショックから2009年にかけての経済不況をへて、政権をとった民主党が2012年に失敗し、誕生したのが第2次安倍内閣。2013年に「ねじれ国会」が解消すると、諮問機関をいくつもつくって、実現したかった政策をつぎつぎ打ち出している。その一つである規制改革会議に提案された事項として、とくに▽フレックスタイム制の見直し▽労使双方が納得する解雇規制のあり方、がある。具体的な規制改革項目としてあがっているのが、@ジョブ型正社員の雇用ルールの整備A企画業務型裁量労働制やフレックスタイム制等労働時間法制の見直しB有料職業紹介事業の規制改革C労働者派遣制度の見直し。
  具体的な規制改革項目は▽解雇の金銭解決制度の導入。現在は解雇時にも労働者側に選択権があるが、制度化されると、違法解雇でも労働者が裁判で勝ってもお金で解決されてしまい、会社都合であっても低く抑えられやすくなる▽限定正社員。職種・勤務地を限定されたジョブ型正社員はすでに導入され、希望する働き方ができる一面もあるが、その特定の職種・勤務地の廃止を理由に解雇しやすくなる▽ホワイトカラー・エグゼンプション。一定年収以上のホワイトカラーを「1日8時間以内、1週間40時間以内、それ以上働かせたら残業代を払う」という労働時間ルールの対象外にすることで、成果のみを求めて事務職・研究職の長時間労働を助長し、過労死を増やすおそれがある。▽派遣法の改悪。同じ派遣先での受け入れは専門26業務含め業務にかかわりなく原則1年〜最長3年に制限されるが、派遣先は人を替えれば派遣で雇い続けられるという抜け道があり、ねらいは、生涯″ハケンで低賃金″、「正社員ゼロ」にある。
  100万人以上が派遣で働いているが、連合にほとんど組織できていない。労働組合が派遣元と派遣先の両方とも交渉できるよう法改正を求めている。

 

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