pagetop
NEWS & 主張
主張

 

10・30集会の成果をもとに、さらに狭山再審実現へとりくみをすすめよう

「解放新聞」(2015.11.02-2737)

 開示された証拠をもとに狭山事件再審弁護団がつぎつぎに新証拠を提出するなかで、狭山第3次再審はきわめて重要な段階をむかえている。部落解放同盟と部落解放中央共闘会議、狭山事件の再審を求める市民の会は、10月30日に集会をもった。いまこそ証拠の全面開示と事実調べをかちとり、再審開始を実現しよう。
  狭山第3次再審では、2010年3月に証拠が開示されてから、これまで185点の証拠が開示され、弁護団は177点の新証拠を裁判所に提出した。開示された証拠のおもなものは、逮捕された当日の狭山署長にあてた上申書、取り調べの録音テープ、腕時計の捜査資料、遺体についていた手拭いの捜査資料、鞄の捜査資料、駐車の目撃に関する捜査資料などがあげられる。
  いずれもきわめて重要なこれらの証拠の開示によって、①脅迫状は石川さんが書いたものでないこと②発見された腕時計は被害者のものではないこと③犯行に使われた手拭いは石川さん宅のものではないこと④カモイの万年筆は被害者のものではないこと=捜査当局がねつ造したものであること⑤取り調べ録音テープのやりとりに、秘密の暴露といえるものがないこと。むしろ、石川さんは犯行内容を知らない=犯人ではないことがあらわれていること⑥「自白」はつくられたものであること⑦犯行現場を裏付けるものが何もないこと、などが明らかになった。
  証拠開示勧告から6年、開示された証拠によって、いよいよ石川さんの無実が明確になってきた。

 狭山弁護団が開示を求めてきたポリグラフ検査のチャートが、10月9日に開示された。ポリグラフとは、「嘘発見器」のことで、捜査官が事件についての質問をおこない、呼吸、血圧や皮膚の電気反応などを測定する検査のことだ。今年1月に開示された領置票で、石川さんが逮捕直後にかけられたポリグラフ検査のチャート(記録紙の原紙)があることがわかり、弁護団はその開示を求めていた。
  このポリグラフチャートを、今回の3者協議で検察官が開示した。弁護団は、逮捕直後におこなわれたポリグラフ検査については、検査書によってむしろ石川さんの無実が示されていると主張してきたが、今回、検査書のもととなるポリグラフチャートのすべてが開示されたことによって、分析をすすめ、石川さんの無実をさらに明らかにしていきたいとしている。チャートの開示は、粘り強く証拠開示を求めてきた弁護団の大きな成果である。
  植村裁判長は、東京高検以外の証拠物の一覧表の開示については、弁護団が出した意見書にもとづいて引き続き検討するとした。弁護団が要請してきた「証拠物のリスト」がことし1月に開示された。この「証拠物リスト」の開示によって、埼玉県警やさいたま地検など、東京高検以外の官庁で作成されているはずの証拠物の一覧表が新しい焦点になった。
  たとえば、犯行現場の8ミリフィルムがリストにふくまれていない。これはどうしたことなのか。警察の作成した実況見分調書に「8ミリで撮影した」と書かれ、当時の新聞には、犯行現場を8ミリフィルムで撮影したという記事が掲載されている。だが、この8ミリフィルムがどうして高検のリストのなかにないのか。埼玉県警やさいたま地検の一覧表を開示すれば、すぐにわかるはずだ。
  このため弁護団は、東京高検以外の証拠物の一覧表の開示を強く求めている。しかし、検察は「証拠物はすべて東京高検に集められているので、これ以外に証拠物はない」というきわめて不誠実な回答をおこなっている。植村裁判長は、東京高検以外の証拠物の一覧表の開示については、弁護団が出した意見書にもとづいて引き続き検討するとしたが、8ミリフィルムなど、存在が明らかな証拠物がリストにふくまれていない以上、すべての証拠リストを開示することは、裁判所の方針から当然のことといわなければならない。

 狭山第3次再審闘争は、いよいよ山場をむかえた。部落解放同盟中央本部は9月28日の拡大中央委員会で、証拠開示と新証拠の積み重ねによって切りひらかれた再審闘争の現状を確認し、いまこそ事実調べ・再審開始を実現しようと確認した。そして、当面は、10月30日に東京・日比谷野外音楽堂でひらく「10・30狭山事件の再審を求める市民集会」へ向け、全国でとりくみをすすめることを確認し、この集会を成功させた。
  この集会での成果や狭山をさらに多くの人びとのなかに広め、狭山再審を求める世論をつくりあげていこうという基調内容を確認し、全国各地で狭山の集会や学習会、街頭情宣、署名活動、要請はがき、狭山パネル展にとりくもう。また、東京高裁前の石川さんのアピール行動を支援し、映画「SAYAMA みえない手錠をはずすまで」の上映運動を引き続き全国ですすめよう。全国の都府県連・支部は、「東京高検は、すべての証拠物をすみやかに開示せよ」「高検以外の証拠物リストを開示せよ」「捜査書類をふくめた全証拠のリストを開示せよ」「東京高裁は、証拠開示で明らかになった新証拠の事実調べをおこなえ」を合言葉に行動を開始しよう。


「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)