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戦争法を廃止し、主権在民、基本的人権の尊重、平和主義の日本国憲法の理念の実現へ闘いを強めよう

「解放新聞」(2015.12.07-2741)

 安倍政権は、9月17日参院特別委員会で、そして19日未明に参議院本会議で安全保障関連法案(戦争法案)を強行採決した。これらの法案は、明らかに憲法違反だ。憲法の平和主義の理念をふみにじり、国民の圧倒的多数の反対意見を無視した安倍政権の暴挙を断じて許すことはできない。
  安倍政権の「集団的自衛権」行使容認を阻止し、平和憲法を守るため、全国で「戦争をさせない1000人委員会」が立ち上がり、このとりくみに部落解放同盟も各都府県連各支部が積極的に参加してきた。また、1000人委員会を中心とした「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」とともに、国会包囲行動も波状的に展開してきた。衆議院での強行採決以降、国民の反対の意思や「政府の説明が不足している、慎重審議をすべき」などの声が日増しに高まり、8月30日には国会周辺に12万人、全国各地で数十万人の集会やデモがおこなわれた。
  この反対運動を軸として、学者組織の「立憲フォーラム」「安全保障関連法に反対する学者の会」、学生組織「SEALDs」、母親たちの「ママの会」、高校生の「T-nsSOWL」などの組織が生まれ、運動の裾野は全国に広がっていった。それらの声に後押しされ、国会内では民主党、社民党、生活の党、共産党が廃案に向けとりくんだ。
  こうした広範な人びとが反対しているにもかかわらず、法案を可決・成立させたことは、立憲主義を否定し、民主主義を破壊する行為であり、断じて認めることはできない。私たちは、この戦争法のすみやかな廃止を実現するために全力を尽くし、法の発動を許さない世論づくりと運動にとりくまなければならない。
  安倍政権は、2013年末に「特定秘密保護法」を強行採決し、「知る権利」を否定し、「何が秘密かも秘密だ」と都合の悪い情報は秘密にすることができるようにした。戦争法とあわせて考えると、マスコミや市民に大切な情報が知らされないまま、時の政権の情報操作と恣意的判断で戦争に突入する危険性がある。
  そして安倍首相は、国民が納得できるように説明を続けるといっていたが、その後も戦争法についての説明はなされず、秋の臨時国会もひらかれていない。内閣改造後の所信表明や質疑もなされず、TPPの大筋合意の内容についての議論もなされていない。「いずれかの国会議員の4分の1の要求があれば臨時国会の召集を決定しなければならない」という憲法第53条にもとづく野党の開催要求も無視しており、国会軽視、国民軽視、違憲の政権運営を許すことはできない。
  安倍政権は、新自由主義的な経済政策を推進している。そして「アベノミクス」により、出口戦略のない「禁じ手」の日銀による国債の大量購入をおこない、国民合意もないまま年金基金まで投入し、株価をつり上げて見せかけの景気回復を演出してきた。しかし、結果は、円安になっても輸出は伸びず、物価の高騰は実質賃金をさらに低下させ内需も伸びず、実体経済は改善せず、物価高が庶民の生活を直撃している。「アベノミクス」の破綻が表面化しつつあるが、出口戦略がないために、その負の危険な要素が表面化したときに、超インフレなど恐ろしい事態になると予測する学者もいる。そして、9月には労働者派遣法の改悪を強行し、さらに労働者保護ルールの改悪をおこなおうとしている。これらの政策は、格差拡大と貧困化をますます増大するものであり、安定した経済と社会をつくることには結びつかない。私たちは、格差社会の是正と生活者・勤労者の立場からの政策制度の実現を求めるとりくみをしなければならない。

 フランスでのテロ事件にかこつけて、自民党内で「共謀罪」を新設する法案をまた提出しようとする動きがはじまった。戦前の「治安維持法」と同様に市民運動などを弾圧する道具になりかねないため、これまで3回も廃案となった法案だ。
  戦争法によって日本が米国の戦争に加担すれば、日本国内でもテロの危険性が高まる。テロの標的となる施設は無数にあり、完全に防ぐことは不可能だろう。そして、テロ防止を口実に監視社会化がすすみ、市民の自由や権利が制限され、市民運動などの弾圧や外国人差別が強まり、民主主義破壊がすすみかねない。
  この意味からも、戦争法は日本社会のあり方を根本的に変えてしまう法律だ。廃止するしかない。
  戦争は、最大の差別であり人権侵害である。私たちは戦前の歴史的教訓をふまえ、平和と人権、民主主義を構築する闘いをすすめていかなければならない。戦争国家への道、人びとの人権と生活破壊の道へ突きすすもうとする安倍政権の暴走を絶対阻止していこう。


 

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