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リバティおおさかの裁判闘争と自主運営を支援しよう

「解放新聞」(2016.04.011-2758)

 日本で唯一の〝人権に関する総合博物館″である大阪人権博物館(リバティおおさか)が、存続の危機という重大な事能だ直面している。
  昨年7月23日、大阪市は、リバティおおさかを運営する公益財団法人大阪人権博物館を提訴した。その趣旨は、①リバティおおさかの建物を取り壊し、使用している大阪市有地を明け渡すこと②2015年4月1日から市有地の明け渡しまで一か月あたり250万円を支払うこと、というものである。
  これは地方自治体である大阪市がみずからも出資した財団を提訴するという、全国的にもまれにみる不当かつ理不尽な裁判である。部落解放同盟は大阪府連を中心に9月12日に結成された「リバティおおさか裁判を支援する会」にいち早く参加し、裁判闘争を支援することにした。
  現在まで大阪地方裁判所で3回の口頭弁論がひらかれたが、10月2日の第1回口頭弁論では、裁判上異例なことだが、財団理事長が被告代表意見陳述をおこなった。そこでは、①建物の取り壊しと市有地の明け渡しはリバティおおさかの廃館を意図したものである②市有地は地元の部落住民が部落差別の撤廃と教育の向上のために寄贈したという歴史的経緯を無視したものである③リバティおおさかの意義と役割を否定するだけでなく、大阪市がすすめてきた人権行政の責任を放棄したものであると指摘し、この裁判で問われるべきは人権行政を推進する責任を負っている原告の大阪市であることも強調した。

 財団は官民一体の協力によって1982年12月に設立され、リバティおおさかは1985年12月に大阪人権歴史資料館として開館した。1995年12月に展示をリニューアルし、大阪人権博物館と改称した。さらに2005年12月には、人権尊重の21世紀に対応するため展示を再びリニューアルした。特別展は「人間解放の父、松本治一郎」や「近世身分制と被差別部落の成立」「全国水平社-人の世に熱あれ、人間に光あれ」など、70回にもおよび、差別撤廃と人権確立に大きな役割をはたしてきた。そして開館から30周年で総来館者数は150万人を数え、国内外から高い評価を受けている。
  このようなリバティおおさかの意義と役割を尊重して、開館当初から大阪府と大阪市は運営費の大半を占める補助金を支出してきた。しかし大阪維新の会を率いる橋下徹代表(当時)が大阪府政と大阪市政を担うようになると、人権行政は大きく後退していった。とくに2012年4月には橋下市長が松井一郎・大阪府知事とともにリバティおおさかを視察し、みずからが大阪府知事在任時に承認した展示にたいして「私の価値観に合わない」と否定し、2013年4月から補助金を全面的に廃止した。また大阪市は2014年11月には市有地の使用料を要求し、財団がくり返し話し合いを求めたものの、まったく応じることなく、強引に提訴するという暴挙に出たのである。

 そこでリバティおおさかは、2013年4月からあらたに賛助会費(サポーター)と寄付金(スポンサー)を募り、困難な自主運営の道を歩むことになった。また30年間で培われたネットワークを駆使して共催を中心とした質の高い展示をおこない、その成果は「いじめと差別-人権教育のあゆみから振り返る1」、「ネルソン・マンデラと日本の反アパルトヘイト運動」、「「同和対策審議会」答申50年~部落差別をなくす半世紀の歩み~」などに結実している。まさにリバティおおさかはきわめて厳しい状況におかれているが、多方面からの協力と支援を得て事業と運営を継続させている。
  今日、日本政治の極端な右傾化と軍事大国化にともなって偏狭なナショナリズムと差別排外主義が横行し、またグローバル化を背景とした新自由主義政策によって格差拡大と社会的排除も進行し、日本の差別と人権をめぐる状況にはきわめて厳しいものがにある。このような状況であるからこそ、差別撤廃と人権確立という目的を掲げたリバティおおさかの意義と役割は、ますます大きく重要である。
  部落解放同盟は開館当初から、リバティおおさかにたいする支援を惜しまなかった。この流れをふまえ、リバティおおさかの裁判闘争のみならず自主運営のため、中央本部を先頭に各都府県連合会と各支部、共闘団体をあげて、今後とも全面的な支援を訴えるものである。


 

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