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就職差別を撤廃し、雇用促進・就労支援にとりくもう

「解放新聞」(2016.05.30-2764)

 「部落地名総鑑」差別事件発覚から40年をへて、「全国部落調査」の復刻版を発行・販売しようとする者があらわれた。また、インターネット上に被差別部落の所在地一覧が公開・拡散されている実態がある。このような状況のなかで、就職差別撤廃のとりくみをいっそう強化することが、いまこそ求められている。
  「部落地名総鑑」差別事件を契機に、労働省(当時)によってつくられた「企業内同和問題研修推進員」制度は、「公正採用選考人権啓発推進員」制度に引き継がれ、一定の役割をはたしてきた。しかし今日、多くの問題点も指摘され、不十分なとりくみになってしまっている現状がある。「推進員」を設置していない企業、ハローワークの主催する「推進員研修」に一度も出席していない企業も少なくない。とりくみをもう一歩すすめるためには、ハローワークによるチェックシステムを作り、改善していく必要がある。そして推進員の位置づけを法的に明記し、その実効性を高めていく必要がある。
  「統一応募用紙」のとりくみも「職業安定法第55条の4」が1999年の法改正で追加され、大臣指針も施行され、法的裏付けができた。しかし、違反企業にたいする指導が徹底されていない現状も明らかになっている。労働局には、法令違反を見逃さないという厳しい姿勢と、ていねいな指導が求められる。

 就職差別をなくすために労働組合の役割も大きい。企業や事業所の内部からチェックするとりくみも大切だ。また、労働者の権利を守り、差別や人権侵害のない職場をつくるためにも、採用という雇用関係の入り口で、差別を許さないことが重要だ。
  部落解放中央共闘と全国共闘は、毎年6月を就職差別撤廃月間と位置付け、リーフレットを作成し、啓発活動にとりくみ、職場での点検活動をよびかけている。また、各府県共闘会議では、労働局や府県行政・教育委員会などにとりくみ強化の申し入れをおこなっている。
  そして連合は、2008年に連合構成組織を通じて「採用選考に関する実態把握のためのアンケート調査」にとりくみ、その報告書で「行政指導の徹底の不十分さや問題の所在が明らかになった」とし、「問題の解消には労働組合の積極的なとりくみが功を奏することも明らかになった」として、それ以降毎年、各職場での点検活動をよびかけている。そして今年6月から、2回目の「アンケート調査」にとりくむ。このとりくみをあらたな契機として、各地で共闘会議や連合との連携を深め、就職差別撤廃のとりくみを強化していこう。

 就職差別撤廃とともに、安定した雇用を促進していくとりくみも重要だ。地域での生活相談とあわせて職業相談活動を充実させる必要がある。
  「生活困窮者自立支援法」にもとづく「自立相談支援事業」を活用し、就職困難者の自立を支援していくことや、「ハローワークの求人情報のオンライン提供」を活用し、隣保館などでの職業相談活動を充実させていくことも大切だ。ハローワークや自治体などと連携を密にし、隣保館活動の充実とあわせてとりくんでいこう。
  不安定雇用の増加による格差の拡大と貧困化がすすみ、雇用をめぐる状況は悪化している。安倍政権は昨年、労働者派遣法の改悪を強行したが、これは不安定雇用をさらに増加・悪化させるものだ。今年にはいって安倍政権は「同一労働同一賃金の推進」をいいだしたが、昨年の国会で野党が提案した「同一労働同一賃金推進法案」を骨抜きにしたのは、安倍政権である。具体的内容も明らかにされておらず、選挙目当てとしか考えられない。
  非正規雇用が雇用労働者の4割となり、不安定で低賃金の労働者が増えつづける現状も、方向転換させなければならない。その意味で、私たちの生活を圧迫し、平和を脅かす安倍政権を退場させることも、大きな課題だ。


 

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