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「男女平等社会実現基本方針(第2次改訂版)」の具体化に向けて組織と運動の改革をすすめよう

「解放新聞」(2016.08.29-2776)

 1979年、第34回国連総会で「女性差別撤廃条約」が採択された。日本でも、「女性差別撤廃条約」批准に向けた運動が高まり、1985年に条約を批准。さらに、1999年の第54回国連総会では個人通報制度を明記した「女性差別撤廃条約」選択議定書が採択されたが、日本は批准していない。
  なお、条約批准をふまえて、国内法整備として、1986年に「男女雇用機会均等法」、1999年には「男女共同参画社会基本法」が制定された。しかし、夫婦別姓問題やマイノリティ女性の実態把握など、女性差別撤廃委員会からの勧告を実施しない日本政府の対応はまったく不十分である。
  部落解放運動のとりくみとしては、1955年の第10回全国大会で「婦人分科会」が設けられ、1986年の第43回全国大会では「婦人が変われば部落が変わる、男性もともに変わることが女性解放にとって重要」と各級機関に女性が積極的に位置付けられ、政策決定機関の場に参加することが確認された。
  さらに、1993年の第50回全国大会では、「婦人部」から「女性部」に名称が変更され、翌年の第51回全国大会では「部落解放と女性解放の課題は一体のもの、性差別の現状を明らかにしつつ自らの解放をなしとげる主体者としての自覚を高める」との方針を決定した。
  1995年の第52回全国大会では、北京で開催された世界女性会議のNGOフォーラムで、部落解放同盟中央女性対策部(当時)が「アジア・太平洋マイノリティ・先住民族女性ワークショップ」を開催したことなどを報告し、部落女性として部落差別とともに女性差別への自覚も高めていった。
  また、第58回全国大会(2001年)で、男女平等社会の実現に向けた運動の方針化をはかる目的で、男女共同参画プロジェクトの設置を決定、2008年には、国内外の動向をふまえ、2001年に策定した「男女共同参画基本方針」の名称を、真の男女平等の社会を実現するためにどうすればいいのか、基本方針の内容をふくめて議論するとともに、第65回全国大会(2008年)で「男女平等社会実現基本方針(改訂版)」を採択した。

 こうした男女平等社会実現に向けたとりくみをさらに強化していくために、昨年、第72期第1回男女平等社会推進本部会議を開催し、女性をめぐる今日の情況などをふまえ、「基本方針(改訂版)」にある組織内目標をはじめ、課題をよりいっそう明確にしていくことを確認した。とくに、「基本方針」改訂に向けて、専門部会を設置し、3回の専門部会議のなかで、具体的なとりくみと、組織内目標などについて見直しの議論をすすめ、「男女平等社会実現基本方針(第2次改訂版)」案をまとめ、第73回全国大会で採択決定した。
  この間開催してきた全国ブロック別支部長研修会では、「基本方針(第2次改訂版)」の策定経過や目標について説明、都府県連・地区協議会・支部でのとりくみ強化を要請してきた。
  「基本方針(第2次改訂版)」にあるように、組織内でも女性が力を発揮できる組織運営、運動になっているのか、女性への差別待遇、イエ意識や男尊女卑的な考え方が組織のなかにあらわれていないかを再点検する必要がある。、また、女性を意思決定機関に参画できるように、ポジティブアクション(積極的差別是正措置)を組織運営に取り入れていくことや、女性差別を撤廃していくためには、人びとの意識変革と同時に、マイノリティの声を反映するための社会や組織のシステムが不可欠である。さらに、さまざまな機関の定数などが一方の性に偏らないようにする機関運営を取り入れることも重要だ。
  また、全国大会方針でも提案されている「中央執行体制の抜本的見直し、責任体制を明確にしながら機能的・実働的な改革にとりくむ」について、女性の役割を重視する組織の仕組みや、女性の意見が反映される組織の位置づけなどについて、本部が提案している中央執行部と都府県連の体制強化拡大や、人材育成の議論に反映するように都府県連でもとりくみをすすめよう。

 男女平等社会の実現に向けて、今後とも男性も女性も学習を深め、相互の意識変革をすすめるとりくみが必要だ。そして、同盟内の男女を問わず「なにが女性差別か」を見抜く力を育むことも重要だ。
  また、「男女平等社会実現基本方針(第2次改訂版)」の組織内目標の1つである全国大会での女性代議員の3割以上の参加の実現についてのとりくみは、都府県連の努力もあり、第71回(2014年)全国大会以降、3割以上の女性代議員の参画目標を達成している。今後は、「女性差別撤廃条約」の遵守と勧告の実施、自治体での条例づくりをすすめるなどの具体的な6つのとりくみや、都府県連での女性部結成や男女平等推進本部の設置などの12点の組織内目標の達成に向けて運動を展開していかなければならない。
  この「基本方針(第2次改訂版)」をもとに都府県連の女性部が中心になって学習をすすめ、都府県連・地区協議会・支部で具体的なとりくみをすすめていこう。この間、群馬県連、愛知県連、奈良県連、和歌山県連、大阪府連、広島県連、香川県連などで「男女平等社会実現基本方針(第2次改訂版)」の学習会や、女性部運動の実態把握と強化に向けたとりくみがすすめられている。
  女性部のとりくみは、部落解放運動の前進にとっての大きな原動力である。今後も、「基本方針(第2次改訂版)」の具体化をすすめ、変革の時代に敏感に対応する女性部運動の展開と、人材育成を中心にしたとりくみを組織強化の課題にむすびつけていこう。


 

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