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NEWS & 主張
空洞化する同和教育
若い教員に今後を期待
「法期限後の同和・人権教育を問う」2016解放講座
「解放新聞」(2016.09.12-2778)

学習は経験していても

  【兵庫】「法期限後の同和・人権教育を問う」をテーマにした2016解放講座が8月21日午後、神戸市・兵庫県学校厚生会館でひらかれ、大阪市立大学大学院教授の阿久津麻理子さんが講演し、60人が参加した。主催は礎友会(兵庫部落出身教職員の会)と県連。
  「地元で解放学級を続けているが、多くの地域では解放学級がなくなっている。親が子にどう部落のことを教えたらいいのか、若い先生は学校で部落問題をどう取りあげたらいいのか悩んでいる情況がでている」と坂本三郎・県連委員長が主催者あいさつ。つづいて井上浩義・礎友会会長が「法が失効して14年。同和教育が空洞化しているのを実感している」と教育現場の情況を報告した。
  阿久津さんは、「法期限後の人権・同和教育とマイノリティのエンパワメントー部落出身教師の聞き取りから」をテーマに、これまでとりくんできたなかで感じたり思ったことを話し、問題を提起した。
  大学生の調査を通じて、7割が部落問題学習の経験をしているものの、部落出身の友人や知人がおらず、つながりもないという学生は9割にのぼる。こういう知識だけの情況を背景に、鳥取ループの事件がおきてきた現象を「新しい動向ではないか」と指摘するとともに、「深刻な問題だ」と強調した。具体的な例だと大学で部落問題の学習をすると、友だちの住所を「住所でポン」(鳥取ループが作成した個人情報公開サイト)に入れて、どのくらいヒットするかみる学生がいるという。また、ネットで部落問題を調べようとすると、トップにくるのが「全国の同和地区・同和地区(被差別部落)wiki非公式ミラー」(鳥取ループ作成)がでてくる始末だ。教育を話しあう場所を同和教育をめぐっては、教員の加配がなくなり、副読本の配布がなくなった。部落問題学習が低調になり、それにともない、「差別や排除がおきたとき、それが差別や排除の問題として位置づけられないことがおこってきている」という問題がうまれている事例をあげ、「社会的な課題として解決できなくなっている。これが一番気がかり」とした。
  また、若い世代の出身教員に期待を寄せ、「若い先生方の視点に立って、何をどう伝えていくのかという学習や研究をしていく必要がある、と痛感した」とのべた。
  このほか、部落問題学習は「顔のみえる教え方をしなければいけないのではないか」という考え方や、今後、同和教育をすすめていくうえで「学校、教員がなにをするのか、話しあいをする場所があったらいい」という提案をした。

 

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