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NEWS & 主張
差別と苦労を証言
ハンセン病家族訴訟で国を批判
熊本地裁
「解放新聞」(2016.11.07-2785)

 【熊本】「1960年以降の隔離政策は違憲」という歴史的な判決が出されたハンセン病国賠訴訟(熊本地裁)から15年。国のハンセン病隔離政策で患者本人と同じように深刻な差別を受けたとして国にたいし、元患者の家族59人が謝罪・損害賠償などを求めた集団訴訟の第1回口頭弁論が10月14日午後、熊本地裁でひらかれた。国側は答弁書で「隔離政策が患者への差別や偏見を助長したことは認める」としながらも、「影響が家族にまで及んだとする点は否認する」として請求棄却を求め争うとした。西日本を中心に集結した原告と多くの支援者を前に、「国がハンセン病患者は療養所に隔離し排除すべき存在との誤った偏見を創出・助長した」とする原告の主張にたいし国は「創出した」とする点を否定。また、およそ90年にわたり絶対隔離政策が継続された、という訴えに「絶対隔離の意味するところが不明で容認できない」と強弁した。
  原告は全国13の国立療養所の元患者の家族。訴状で、らい予防法(1996年廃止)にもとづく国の隔離政策は、ハンセン病への差別と偏見を助長し、家族たちは患者の存在を隠すことを余儀なくされたり、患者本人を憎むなど関係を破壊された、と主張。国がこれまで認めてきたハンセン病対策の責任の範囲をあらためて明確にするよう求めた。法廷では原告団長の林力さんと原田信子さん、弁護団の徳田靖之・共同代表が意見陳述。林さんは「隔離政策により患者だった父の存在を隠すことを余儀なくされた」と語り、原田さんは「私たち家族も差別され苦労したのに、国はなぜ謝らないのか」と訴えた。国の主張にたいし、徳田弁護士は「元患者への被害は認めながら家族への被害責任を否定するのは根拠に乏しい」と記者会見で批判した。
  報告集会では原告・支援者がそれぞれに思いを語るなかで、「失った家族とのきずなをとりもどす闘いにしたい。手をつなぎ合って最後まで頑張る」と決意が語られた。次回口頭弁論は12月26日。追加提訴した509人は第2回口頭弁論から参加する。

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