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識字で遺産を遺す~井上さん偲ぶ会~

「解放新聞」(2017.04.03-2805)

 【広島支局】心に響く識字作品で多くの人に影響をあたえ、1月5日に89歳で逝去した井上ハツミさんを偲ぶ会が3月11日、府中市文化センターでひらかれた。

 川﨑卓志・県連委員長が「2008年に出版された作品集『私の生まれた日』は、彼女の生きた証そのもの。部落解放への真摯な思いと鋭い感性にあふれた作品は部落解放運動への共感を生みだす貴重な宝。遺志を引き継ぐことを誓いあいたい」とあいさつ。つづいて井上さんが出演したNHK番組のビデオが流され、福山市協女性部の平賀悦子さんによる識字作品の朗読がおこなわれた。

 その後、元教員で識字指導をした伊藤早苗さん、玉山洋さん、友人で識字生の神田千代子さん、部落解放文学賞詩部門選者で『私の生まれた日』を編集した野口豊子さん、小森龍邦・県連顧問が、井上さんの生き方や作品についての想いをのべた。

 「つらい体験をしながら人を傷つけなかった」「識字を指導している私自身の学びの場だった」「作品は詩として優れている。もっと多くの人に読んでもらいたい」「主体的な生き方に学んだ」など、追悼の言葉が続き、野口さんからは部落解放文学賞詩部門選者で詩人の金時鐘さんからの追悼の言葉も紹介された。

 献花のあと、親族を代表して一女の井上暁永さんが謝辞をのべ、広中恵美子・県連女性部長のあいさつで会を閉じた。

金時鐘さん弔辞(抜粋)

 あなたのただ一冊の詩集『私の生まれた日』は、一切の差別を許さない闘いの意志的な意志力の糧となって、永く読み継がれていくでしょう。井上ハツミさん、あなたは手渡せるだけのたしかな遺産を遺してくださいました。やすらかにお眠りください。


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