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就職差別を撤廃し、雇用促進・就労支援にとりくもう

「解放新聞」(2017.05.29-2812)

 厚生労働省は、2016年度の有効求人倍率が、1・39倍となり、1990年度のバブル期いらいの高水準だったと発表した。一方で、「就職差別の恐れがある事象」は増加傾向であり、これまで採用を控えていた企業が求人募集をすると、公正採用選考違反の事例が多発するとの分析をしている。

 この間、「部落地名総鑑」差別事件発覚から41年をへて、「全国部落調査」復刻版を発行・販売しようとする者があらわれた。また、インターネット上には被差別部落の所在地一覧や、差別を煽動する情報が公開され、拡散し続けている実態がある。この状況のなかで、「部落差別解消推進法」の意義を広め、就職差別撤廃のとりくみもいっそう強化することが求められている。

 「部落地名総鑑」差別事件を契機に、労働省(当時)によってつくられた「企業内同和問題研修推進員」制度は、「公正採用選考人権啓発推進員」制度に引き継がれ、一定の役割をはたしてきた。しかし今日、多くの問題点も指摘され、不十分なとりくみになってしまっている現状がある。「推進員」を設置していない企業、ハローワークの主催する「推進員研修」に一度も出席していない企業も少なくない。とりくみをもう一歩すすめるためには、ハローワークによるチェックのシステムをつくり、改善していく必要がある。そして推進員の位置づけを法的に明記し、その実効性を高めていく必要がある。

 「統一応募用紙」のとりくみも「職業安定法第5条の4」が1999年の法改正で追加され、大臣指針も施行され、法的裏付けができた。しかし、違反企業にたいする指導が徹底されていない現状も明らかになっている。労働局には、法令違反を見逃さないという厳しい姿勢と、ていねいな指導が求められる。

 就職差別をなくすために労働組合の役割も大きい。企業や事業所の内部からチェックするとりくみも大切だ。また、労働者の権利を守り、差別や人権侵害のない職場をつくるためにも、採用という雇用関係の入り口で、差別を許さないことが重要だ。

 部落解放中央共闘会議と全国共闘会議は、毎年6月を就職差別撤廃月間と位置付け、リーフレットを作成し啓発活動にとりくみ、職場での点検活動をよびかけている。また、各府県共闘会議では、労働局や府県行政・教育委員会などにとりくみ強化の申し入れをおこなっている。

 そして連合は昨年、2008年以降2回目となる連合構成組織を通じての「採用選考に関する実態把握のためのアンケート調査」にとりくみ、その報告書で「「統一応募用紙」使用状況が8年前と比べて改善していないことが明らかになった」とし、「問題の解消には労働組合の積極的な取り組みが功を奏することも明らかになった」として、各職場での点検活動をよびかけている。

 このとりくみを新たな契機として、各地で共闘会議や連合との連携を深め、就職差別撤廃のとりくみを強化していこう。

 就職差別撤廃とともに、安定した雇用を促進していくとりくみも重要だ。地域での生活相談と合わせて、職業相談活動を充実させる必要がある。

 「生活困窮者自立支援法」にもとづく「自立相談支援事業」を活用し、就職困難者の自立を支援していくことや、「ハローワークの求人情報のオンライン提供」を活用し、隣保館などでの職業相談活動を充実させていくことも大切だ。ハローワークや自治体などと連携を密にし、隣保館活動の充実と合わせてとりくんでいこう。

 不安定雇用の増加による格差の拡大と貧困化がすすみ、雇用をめぐる状況は悪化している。安倍政権が強行した労働者派遣法の改悪は不安定雇用をさらに悪化させている。非正規雇用が雇用労働者の4割となり、不安定かつ低賃金の労働者が増え続ける現状も方向転換させなければならない。その意味で、庶民の生活を圧迫し、平和を脅かす安倍政権を退陣させることも大きな課題だ。

 


 

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