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サントリー地域文化賞に決定~阿波木偶箱まわし保存会が

「解放新聞」(2017.09.11-2826)

 一人遣いの人形による門付けや大道芸「木偶(でこ)廻し」を継承し、普及にとりくむ徳島市の「阿波木偶箱まわし保存会」に「第39回サントリー地域文化賞」を贈ると8月25日、サントリー文化財団が発表した。同賞は地域の文化向上と活性化に貢献した個人・団体を顕彰するもので、同保存会は「消滅の危機にあった貴重な伝統芸能を継承、調査・研究と普及活動を展開」したと高く評価された。贈呈式は9月29日に東京でおこなわれる。

 「三番叟(さんばそう)まわし」は、木偶人形の三番叟とえびすを1人で操って「五穀豊穣」「無病息災」などを祈る徳島の伝統的な正月の門付け芸で、江戸期から四国一円を回った。しかし、戦争と差別、高度経済成長による生活習俗や営農形態の変化などから、1960年代にはほとんど姿を消してしまう。保存会顧問の辻本一英さんが79年から地元や各地の被差別部落を回り、被差別民の暮らしや芸能の調査を重ねて95年に有志を募り、保存会の前身である「阿波木偶箱まわしを復活する会」を結成。保存会会長の中内正子さんは県内唯一となった芸人に弟子入り、99年から3年間、門付けに同行して技術と門付先を受け継いだ。保存会が収集した163点の門付け用具は国の登録有形民俗文化財(2009年)、 阿波木偶「三番叟まわし」は徳島県指定無形民俗文化財(2015年)になっている。

 2002年以降、中内さんと囃子方で保存会副会長の南公代さんは、正月から約2か月、徳島県西部を中心に1000軒あまりを回って門付けしている。メンバーは現在、高校生をふくめ28人。各地の人権啓発講演会やイベントに出演したり、体験教室や伝承教室をひらくなど次世代への伝承活動にも力を入れている。海外公演も多く、昨年はミラノ万博に出演し世界から注目を集めた。

 

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