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護憲大会に結集し、平和憲法を守ろう

「解放新聞」(2018.11.05-2881)

 昨年5月3日、安倍首相は改憲派の集会に寄せたビデオメッセージで「2020年改憲」を表明した。

 安倍首相は、昨年3月の党大会で「自衛隊を明記し違憲論争に終止符を打とう」とよびかけ、「憲法改正」の方向性として、自民党の憲法改正推進本部での議論をふまえ、①自衛隊の明記については、9条1項と2項を維持し自衛隊を明記する②緊急事態条項については、73条2項や64条2項を追加し大規模災害時の内閣による政令制定権や議員任期の延長を可能とする③参議院選挙の「合区」について、47条を「改正」し、「地域的な一体性」を求めその解消を目指す④教育の充実については、教育が「国の未来を切り拓く上で極めて重要な役割を担う」として26条を「改正」する方向が確認された。

 とくに、9条「改正」は、集団的自衛権を行使する自衛隊を一気に憲法上正当化するばかりでなく、「後法優先の原則」(後法は前法に勝る、後法は前法を破る)から2項は残っても後から追加された条文が優先し2項の「死文化」の可能性がある。また、緊急事態条項の方向性は大規模災害に止まらず、軍事的な緊急事態における内閣の権限拡大や人権の大幅な制限に適用される危険性をもっている。

 本年、9月の自民党総裁選では、安倍晋三首相(党総裁)が石破茂・元幹事長を破って、連続3選を果たした。「最後の3年」に挑む安倍首相は悲願の憲法改正という政治目標を総裁選で掲げた。「改憲」の旗印で求心力を維持する戦略である。

 また、「改憲」をすすめる「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の櫻井よしこ共同代表は、「政治日程を考えれば憲法改正の機会は18年しかない。この1年で憲法改正を成し遂げることができなければ、日本の真の意味での再生は難しい」とのべ、18年中の「憲法改正」を強く求めた。とくに、「自衛隊ありがとう」キャンペーンなどをテコにしながら、さまざまな「改憲」のための世論づくりがおこなわれており、3月14日、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が開催した「憲法改正賛同1000万人達成中央大会」では、2018年のとりくみとして、「自衛隊の根拠規定を憲法に明記する。緊急事態条項を憲法に新設する」ことを発表しており、憲法改悪へ予断を許さない状況にある。

 この間、マスメディアによる世論調査がおこなわれた。そのなかで、共同通信社が国民にたいして実施した「秋の臨時国会への改憲案提出」についての調査結果は、「反対」が49%で「賛成」の36%を上回った。また、安倍総理が10月の記者会見で表明した、自民党の「憲法改正」案について、「次の国会で提出を目指すべきだ」考への賛否を聞いたところ、「反対」が52%で、「賛成」の33%を上回った。国民は拙速な「改憲」を危ぶんでいる。さらに注目したいのは同じく共同通信社による自民党員・党友への調査結果だ。「次期総裁に期待する政策(回答は二つまで)」は「景気や雇用など経済政策」(38%)がトップで「年金、医療、介護」「外交・安全保障」などが続く。「憲法改正」(12%)は8番目だった。

 自民党員でさえ、「憲法改正」の優先順位はきわめて低いのだ。まして党員ではない、野党支持者もふくむ国民レベルでみれば、安倍首相の「改憲論」が、いかに性急で突出しているかは明らかだ。

 また、安倍総理は10月2日に内閣改造をおこない第4次安倍改造内閣が発足したが、この改造内閣の顔ぶれの評価について聞いたところ、「評価する」と答えた人は25%で、「評価しない」が51%だった。さらに、麻生副総理兼財務大臣の留任については、「評価する」が32%、「評価しない」が57%で「評価する」を上回った。

 国民投票実施の前提となる「国民投票法改正案」について、与野党の一致をみることなく、自民・公明、日本維新の会、希望の党による国会提出となった。

 自民党は、10月24日に召集された臨時国会に、9条への自衛隊明記など4項目の「憲法改正」条文案の単独提示をめざす方針を固めた。しかし連立を組む公明党が事前協議に一貫して難色を示しているため、協議が見送られた。衆参両院の憲法審査会で条文案を示し、与野党による議論を喚起することが狙いだ。

 自民党憲法改正推進本部長に内定した下村博文・元文部科学相が、推進本部の最高顧問に就く高村正彦・前副総裁らと党本部で会談し、条文案の提示をめざす方針を確認した。こうした状況のもと、安倍首相は「改憲」への意欲をあらためて表明している。いまなお「改憲」に向けた策動を止めることがないのは、一度取り下げてしまえば、政権そのものの求心力を失いかねない現実があるとみるべきで、けっして油断してはならない。なりふりかまわぬ強行を警戒し、「改憲」阻止のとりくみをすすめなくてはならない。

 憲法改悪の策動として、「特定秘密保護法」(2013年)、「集団的自衛権」行使容認の閣議決定(2014年)、「戦争法」(2015年)、「共謀罪」(2017年)、「働き方改革」(2018年)、あるいは沖縄抑圧や歴史改ざん、教育への介入が続いてきた。

 安倍政権の憲法改悪策動にたいし、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」がよびかける「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」は、約1350万筆を達成した。

 諸団体・個人が全国各地でこの署名を通じ、広範な市民との対話をすすめてきた結果として確認する一方で、改憲発議を断念させるため、目標として掲げる3000万筆達成に向け、よりいっそうの奮闘が求められている。私たちには、この安倍政権を打ち倒し、憲法違反の法律を廃止し、平和といのちと人権を私たちの手に取り戻し、未来に引き継ぐ責任がある。1964年いらい、憲法の平和と民主主義、人権尊重の理念を日本社会において実現するために、第55回護憲大会が11月17日から19日にかけて佐賀市で開催される。憲法改悪を阻止し、平和と人権確立のため、第55回護憲大会に積極的に参加しよう。そして、戦争する国づくりをすすめ、新自由主義路線にもとづき貧困と格差を拡大する安倍政権と対決して、立憲主義と平和憲法を守り、人権・平和・民主主義の確立をめざし、すべての市民と連帯して闘い抜こう。

 

 

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