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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2067号/02.05.06
 格付け機関というものがある。国や企業が発行する債券の投資リスクを判定する機関のことだ。日本でもある証券会社が格付けを下げられたとたんつぶれてしまった例がある。米国のMISが格付け機関として有名だ
▼今ささやかれているのが日本の国債の格付けがさらに下げられるのではないか、という話。とりあえずはA(確実性が高い)にランクされているものの、そのなかでは最低のランク。ささやかれているのがB(まずまず確実)に下がるのではないか、ということ
▼国債の格付けが下がるとどうなるのか。日本国内の銀行や生保の格付けが下げられてくる。現在、十年もので一・五パーセントと低い水準でも国債購入が増えている状況が維持できなくなる。つまり国債の金利を上げざるをえなくなるのだ
▼そうなると同じ市場に一・五パーセントの国債とそれより金利がいい国債が同時に出回る。当然、金利の低い国債は安売りされ暴落する
▼デフレがデフレをよぶ、という経済状況の悪化のなかで高金利になると不良債権を抱えている企業は倒産せざるをえなくなる。ますます不況の泥縄化が深まるというわけだ
▼問題はこうした経済状況にたいして適切な対策が打てない政府の姿勢。橋本政権の失政と同じ過ちがおこなわれる可能性が高いことだ
▼貧乏でいい、みんなで一緒に生きる社会をどう作るのかを、私たち自身の選択として真剣に考えるときにきているのではないか。

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