pagetop
部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2143号/03.11.03
 東電OL殺害事件で最高裁第3小法廷の藤田宙靖(ふじたときやす)裁判長は、無実のネパール人、ゴビンダ・プラサド・マイナリ被告に、2審の東京高裁判決、無期懲役刑を支持した
▼事件は、97年3月、東京電力の女性社員の遺体が渋谷で発見されたもので、顔見知りのマイナリさんが強盗殺人犯として逮捕された。物証もなく、状況証拠だけで逮捕された
▼東京地裁の1審判決では無罪となった。ところが、無罪となつたマイナリさんをかたちのうえでは釈放したものの再勾留をつづけた。東京高裁第4刑事部、第5刑事部も再勾留を追認、最高裁も追認した
▼高裁の両裁判長は、狭山第2次再審で棄却、異議申立棄却をした者。ネパール人が犯人に違いないとする予断と偏見をもとにした決定だった。もし被告が欧米人だったら再勾留はしなかっただろう、第3世界の被告だからやりたい放題したのだ、とは司法事情をよく知る人の弁
▼最高裁もこうした予断と偏見にもとづく棄却決定を出したのだ
▼一体全体、裁判官には人権教育が不十分だと国連関係機関からも指摘されている。この不十分性が官僚的で非人間的な判決の源になっている。あるいは、最高裁を頂点とするひらかれない裁判所を形作っている。そして、これまでのえん罪、誤判への反省すらないものにしている
▼裁判所に反省を迫るためにも、国民審査では全員にバツをつけよう。

「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)