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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2147号/03.12.01
 3連休を利用して四国へいった。さぞ交通機関も混雑することだろうと思っていたが、そうでもなかった。JRバスの運転手は、最近の傾向は、給料日の後でないとお客が集まらないこと、と語っていた
▼なるほど、と納得できた。やはり不況は深刻なのだ。一部のIT関連商品が売れているからといって、景気全体が上向いているわけではけっしてない。統計のマジックにだまされてはいけない
▼でも、こんなときこそ、地元の温泉へでもつかり、ゆっくりと体を休め、気力を養いたいもの
▼熊本県知事は、県の「ふるさと訪問事業」でハンセン病の元患者など22人を県内の温泉に招待するためにホテルに申し込んだが、ホテル側は宿泊を拒否した。その理由は、「世間」
▼つまり、県側はハンセン病はすでに治癒しており、伝染するおそれはないことを説得したのだが、世間ではそう思われていない、とホテル側は説明。そのうえに、宿泊させると世間にたいしてイメージダウンをこうむる、というのだ
▼しかし、知事がこの事実を公表しメディアが騒ぎ出すと、一転して宿泊拒否はしない、と姿勢を変えた。世間を気にしてのことだ
▼元患者らにおわびにいったが、これとてもホテル側が誠意をもったものとはいえない。しかもこの話し合いにたいし元患者に抗議電話がかかってくる事態もある。世間の差別意識の根深さ、残酷さをまざまざと見せつけられた。

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