pagetop
部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2171号/04.05.31

デジタル・ヘル
サイバー化監視社会の闇

古川 利明 著  第三書館(定価2000円)

書籍画像 私には隠さなければならないやましいことはないので、個人情報を収集されても大丈夫。カードをもてば、いろいろ便利なことがある。
 こんなことを考えている人にぜひ読んでほしいのがこの本。グローバリゼーションから日本国内の権力の暗闘と一人ひとりの生活・人生をつないで語りかけてくる。
 本書の構成は、街頭監視カメラに始まり、電話やメールの盗聴、住基ネット、「個人情報保護法」の狙いと背景とつづき、これらが「サイバー情報ファシズム化」への道へと、その歩みをすすめていることを、具体例を示しながら、わかりやすく提示している。
 同時に、「安全・安心」な社会をめざす社会が、マイノリティをこそ監視の対象とし、そのいきつく先は、人間の尊厳を放棄した社会であることを理解させてくれる。
 人の一挙手一投足、人生のすべてをデジタル化する社会=デジタル・ヘル「サイバー情報社会」、そのとば口に、いま私たちが立たされていることをわかりやすく訴えている一冊。   (E)

「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)