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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2180号/04.08.02

警察は ここまで
腐蝕していたのか

宮崎 学 著  洋泉社(定価1600円)

書籍画像 埼玉県の派出所前で、警察官の目前で、市民が集団暴行を受けた。上司ぐるみで、この事実をおおいかくそうとしてきた事件が、つい最近、明らかになった。まさに驚くべき現実だ。
 この本を読んで分かったことは、こんなものはまだ序の口、暴力団を利用し、共存し、状況によっては暴力団よりも問題の多い警察官の現状がある、ということである。
 宮台真司は、こういう。
 トラブルを社会で解決できなくなるにつれて、社会が国家の積極的な介入を望むようになる。その結果、警察権力のおよぶ範囲が際限なく広がる。暴対法の誕生も、この延長線上にある、と。
 国家はマスコミを使って、安心・安全をと社会に不安を煽る。そして法律―たとえば暴対法の改正だとして使用者責任を入れる―をつくる。そこには「てにをは」をどう変えるかだけで巨大な利権が発生し移動する現実がある。
 警察の腐敗が示すこの国の現実と行きつく先を示す諸論考がおさめられたこの本は、やはり必読書だろう。  (A)

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