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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2167号/04.04.26
 ふとあるとき、国家と個人との関係があらわになることがある。今回のイラクでの人質にされた5人にたいするあり方が、それを示した
▼結論をいうと、お国の政策にしたがう人間はいいが、それ以外は非国民だという言説がまかり通っている、ということだ。これは、戦前のファシズムと同じではないか
▼危険だという政府のいうことを開かず、勝手にいって、勝手に捕まった人間の尻ぬぐいをしたのは政府だ、救出されたにもかかわらず、まだ政府批判をくり返している。けしからん、「自己費任」として費用を分担させよ、というのがその中身
▼しかし、救出の過程で政府がしたのは自衛隊派兵の肯定宣伝と危機管理能力のなさの自己暴露だけ。アメリカに頼りつきり、追随外交の弱点を見事に見せつけた
▼劣化ウラン弾被害調査、貧しい子どもたちへの支援、フアルージャでの虐殺を暴くことなど、政府や自衛隊にはできないことを、人質とされた人びとはおこなってきた。賛意が与えられるべきことだ。希望はまだまだあると
▼小泉首相の靖国参拝違審判決が確定した。これにたいしても地裁が違憲判決などおかしい、国民から選ばれたものの批判を、そうでない裁判官がやるべきでない、などの批判がつくられている
▼いま、なぜ、どのように、体制擁護の、こうした言説が大衆的な支持を集めるのか。暗い閉塞下の生活への不満や不平がそこには横たわっている。

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