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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2187号/04.09.27
 パウエル米国防長官は上院の公聴会でつぎのように証言した。イラクのフセイン政権による大量破壊兵器について「いかなる備蓄も発見されておらず、われわれが発見することはないだろう」と
▼このことは何を意味するのだろうか。米のイラクへの侵略行為は、大量破壊兵器が存在することを前提におこなわれたものだった。しかし、その前提そのものが完全に誤りであったことを認めたのだ
▼この侵略戦争の前段で、日本のマスメディアのなかでも、とりわけテレビの画面上で大量破壊兵器が使われたら誰が責任をとるのだ、と脅迫まがいにわめきちらしてきた解説者は、いま、どこで何をしているのか、と思う
▼そして当然にも国連のアナン事務総長は、国連の憲章上違法だと英放送局のインタビューに答えた
▼ところが、米に追随することだけが外交と信じこんでいる日本政府は、何ともとんちんかんなことをいいだした。「日本政府としては違法だと考えていない」と。これをいいだしたのは川口外相だ
▼大量破壊兵器の存在そのものが否定されているのに、侵略行為そのものを肯定しているのである
▼「これだけマスコミ情報の行き届いている社会で、どうして政治権力を持つ人間の鈍感な言菓が追及されず、かれらが人気を保ち、国会の論議をへずに重要な課題がきまるのか」と問われた大江健三郎のなげきが、じつによく伝わってくる。「新しい行動」が必要だ。

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