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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2203号/05.01.24
 阪神・淡路大震災から17日に10年を迎えた。被災者にとっては心なお癒えないなかで迎えた10年だ。この追悼式典に、天皇が参加した。なぜ、いま、また天皇なのか
▼震災時のさまざまな民衆レベルでの協労、コミュニティーづくりなどの記憶を、権力の側に纂奪し、被災者の心を癒す、という役割を天皇は担っている。そして、民衆の記憶は大きな「国民の物語」とされてしまう
▼天皇制のもつさまざまな役割を、憲法論議とも対比させながらもっと、もっと考えていきたいものだ
▼昨年末にスマトラ沖大地震が起き、同時に大津波がインド洋湾岸部に大きな被害を与えた。その時期にインドの被差別カーストのもとを訪れていた本紙の安田記者のもち帰ってきた地元紙の写真を見た。被害状況のすさまじさにも驚いた
▼しかし、もっと驚いたのは被災者の死体が街中の道路上にそのまま放置された状況、穴を掘りそのなかに投げ入れられた無数の死体の山にたいしてだ。安田記者いわく、放置された死体は被差別カーストが処理するようになるのでしょう
▼インドでは避難所のなかでもカースト差別が貫かれているという。こうしたなかで支援や物資がどういう形で届けられ、分配されるのか。被差別カーストにとって明るい展望はない
▼各国の支援は競争の様相を示しているが、本当にそれが苦しむ民衆のもとに届くようにする必要がある。民衆の連帯が問われている。

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