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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2219号/05.05.23
 新しい歴史教科書をつくる会が編集する中学歴史・公民の教科書が文部省の検定に合格した。前回は採択率1%以下となったが、今回、つくる会は10%をめざしている
▼この間、議員や教育関係者に採択が有利にすすむよう、さまざまな働きかけをおこなっている。毎年8月には各地でどの教科書を採択するかが決まる。今は、それへ向けた重要な時期だ
▼戦争ができる本格的な国家づくりは教育から、というセオリーが、つくる会の教科書にはみちみちている。歴史では「大東亜戦争」と臆面もなく記述し、日本の侵略戟争をアジア解放の戦争だったと肯定。日本国憲法は拒否したら天皇の地位が脅かされるからやむをえず受け入れた、としている。しかも教育勅語が近代日本人の人格の骨格をなすものとなったとも書いている。公民では憲法改正が必要と説き、性別役割分担が強調されている
▼そしてこの時に可決されたのが4月29日を「昭和の日」=祝日とする法案だ。昭和天皇の「偉業と遺徳」を偲ぶ「昭和天皇記念館」の準備とこれとは一対のものだ。先の大戦の侵略性を否定し、美化することがいずれも根底にある
▼憲法を改悪し戦争のできる国家へひたすら歩む日本に、アジア諸国が警戒心をもつのは当然だ
▼アジア諸国とどうすれば友好関係が保たれ、共存共栄の道が切りひらけるのか。歴史をベースに深く考えるときではないのか、いまこそ。

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