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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2317号/07.05.07

壁の涙
法務省「外国人収容所」の実態

「涙の壁」製作実行委員会 編  現代企画室(定価1300円)

書籍画像 「人権侵害救済法」は公権力による人権侵害からどのように個の尊厳を守るかが大きな根幹になっている。その議論のなかで入国管理局による人権侵害の事例は指摘されている。
 本著「壁の涙」は入国管理収容施設で起こっているさまざまな非人間的あつかいを被収容者の生の声をもとに告発したもの。アムネスティ・インターナショナル関係者、医師、弁護士など本著製作実行委員会が編んだ。
 強制退去を前提とした施設として位置づけられた法務省「外国人収容所」での外国人にたいする不当なあつかいの歴史は長い。その国の外国人政策の縮図がつまっている。そういう意味では万人に読んでほしい著だ。難民認定、家族分離など深刻な問題を抱えているうえに、密室でくり広げられる「管理」はときとして被収容者に死を迫るという現実もある。
 法体系に重大な欠陥があるということは執務する職員も実は人権侵害に加担していると、アイヒマンについて語るハンナ・アレントをひく点が強く印象に残った。(汝)

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