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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2384号/08.08.25
 オリンピックで日本があふれている。どのメディアも、競って同じ題材を色づけを変え報道する。勝利者の横顔、勝利へいたるいばらの道、そこでの人間的葛藤と周りの支え。それを克服したからこその勝利が伝えられる
▼こうした一連の報道は、見るものをして勝利者への賞賛とあこがれと、身近な人間的魅力を再確認する場となる。逆に、こうした要望に応えた番組作りがおこなわれる。そして日本の選手が活躍する競技が報道の中心になる
▼それにしても北京オリンピックの開幕式は、中国の4大発明をモチーフに最新のハイテクを駆使し、見事な映像、群像を作っていた。総監督が「紅いコーリャン」や「初恋のきた道」という映画を作った張芸謀(チャン・イーモウ)と聞けば、なるほどとうなづける
▼もちろん、「天使の歌声」のロバク、少数民族を漢民族の子どもが扮した、などの問題が批判されたこともたしかだ。だが、すぼらしい未来へ向けた張総監督の意志は届いた
▼しかし、今回ほど国家が前面に出たオリンピックもなかったのではないか。いまの国家、つまり国民国家は排除をもとにした統合が軸になっている。獲得メダル数ナンバーワンの中国で人びとが喜ぶさまが目に浮かぶ。その上にたって、このオリンピックを契機に、中国ではますます統合が強化されていく
▼国民国家という枠をどうこえ、人びとが連帯するのか、じっくりと考えたい。

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