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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2395号/08.11.17

 血の日曜日事件がある。1905年1月、日露戦争などで疲弊したロシアで、パンと自由を求め首都サントペテルブルグの皇宮へ労働者6万人が請願行進したが4000人以上が射殺された。17年のロシア革命への大きな序曲となった
▼米国にも血の日曜日があった。1964年の公民権法は草の根の黒人を中心とした人びとの闘いでかちとられたが、圧倒的多数の黒人にはまだ投票権はなかった。64年3月、アラバマ州セルマからの投票権を求める600人の行進に町外れの橋で警官隊が言語に絶する暴行を加えた事件だ
▼弾圧をこえた闘いで65年8月、ようやく投票権法が成立し黒人が参政権を獲得した。それから43年、米で初の黒人大統領が誕生した
▼米国でのあらゆる可能性と民主主義の力を疑う人がいたら、「今夜が答えだ」との勝利演説をオバマは高らかにおこなった。そして「いまはわれわれの時代なのだ」と106歳の黒人女性の名をあげ、この1世紀の黒人への、あるいは米国民への民主主義の進歩を謳った
▼翌日の記者会見では、「所得減少と老後の蓄えが消えていくのを目の当たりにしている家庭を救済する」と語った
▼血の日曜日と米メディアで語られるリーマンブラザーズの破綻にはじまる経済危機や戦争、地球環境を「武力や富の力でなく、民主主義や自由」という「理想の力」でどう舵を取れるのか
▼私たちは日本で力を尽くしたい。


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