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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2432号/09.08.17
 梅雨明けの高知は暑かった。そもそも太陽の入る角度が異なる。全国部落史研究会のフィールドワークなど案内する方も、される方も、炎天下に汗だく。本当にお疲れ様でしたといいたい
▼高知で学んだのが自由民権運動がなぜかくも広範に県民の間に浸透したのか、ということ。今日流にいえば機関紙・広報活動の推進がいかに重要か、ということになる
▼高知での運動の進展をみるときに忘れてならないのが、初期の運動のトップが「西南の役」での対応を協議している間に西郷は鎮圧され、トップが弾圧で獄に入ったこと。このため、若手が前面に出た運動をせざるを得なくなったということ
▼若い視点から、運動が組み立てられた。機関誌として、理論誌、それを分かりやすくした新聞形式のもの、さらに庶民向けとして節をつけた唄にして街頭や飲み会でうたうもの、というかたちで自由、民権という言葉を浸透させた
▼しかも若手の理論家―活動家を育てるために夜学校を県内にくまなく組織した。そして村なかの郷士をはじめとした名望家を中心に懇親会という名の村中の人間を集めた飲み会、演説会の組織化。あるいは春夏秋冬の郊外での大イベント。かくも高知の人間は酒が好きなのか、というはどの人びとの集まりようだ
▼もちろん、いまみれば古い形態もあるだろうが、選挙もかくのごとく斬新な発想と浸透へのとりくみが必要ではないか。最後の最後まで訴え抜こう。

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