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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2584号/12.09.10
 「こりゃいかん。逃げ場がない」。ため息をつきながらの高知県民の話題は南海トラフ地震。わずか5分ほどで30㍍をこえる津波が到達する。すぐ裏が山でも低く、簡単には登れない。庁舎も水没。どこへ逃げればいいのか。住宅、学校、工場、農地、せっかくできた墓地もみんな水につかってしまう
▼ここで登場したのが自民党の「国家強靭化計画」。大地震への対策を早急にしないと「日本国家の存続」そのものが危機に晒される、だから「均衡ある国土」のためのインフラ整備、防災対策が必要と説く。100~200兆円が必要だとも
▼消費増税を決め、国会は終わった。強靭化が狙うのが消費増税なのだ
▼等(とう、など)というのは便利な言葉だ。「読者などの意見を聞きながら」と書くと、意見を聞く人はここにもいる、という指摘がきても、「など」と書いています、といいのがれができる
▼消費増税の文章に「財政の起動対応ができる。事前防災、及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分する」との文言が挿入された。社会保障は切り捨て、公共事業で金儲けをするぞという宣言だ
▼公共事業が雇用を促進し、それが地域、労働者を潤していた時代はよかった。いまは違う。儲けは大資本が吸い上げ、金融へ投資され、地方にまわらない
▼こんな悪い時代が、とうとうきたか、と嘆くなかれ。デモで社会は変わる、運動で社会は変わることが証明されてきているのだから。

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