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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2592号/12.11.05
 動きの激しい世の中。すでに1年前のことですら忘れているというのが現実ではないか。たとえば昨年の11月16日。何があったか覚えているだろうか。この日、野田首相が福島原発事故の収束宣言をおこなった
▼本当に収束したのか。いまも、毎日、放射性物質は漏れ続けている。それは大地、空気、食物を汚染し続けている。16万人もの人びとがいまだに避難生活を強要されている。そして原発では労働者が被曝しながら収束作業を続けているのだ▼それだけではない。4号炉にある使用済み核燃料プールは、水素爆発で建屋側面が吹き飛ばされ耐震機能を失っている。しかもプールは重量がある。大きな余震がくれば建屋が崩壊、使用済み核燃料はむき出しになり、放射性物質を放出し、地球規模の大事故になる。すでに原子炉建屋内の汚染水は地下から海に大量に流れ出している
▼であるにもかかわらず、収束を宣言し、今後も原発を続けようとしているのがいまの政権なのだ。まるで、人びとが忘れ去れば、すべては終わるかのように
▼人の記憶は楽しいことしか残らない、という。つらいことは忘れるのが法則なのか。まして、それが他人のことなら
▼人びとの記憶から忘れ去られても、たとえば沖縄の米軍基地のもとでの差別と抑圧は続いている。あるいは、部落差別はいまも続いている
▼だからこそ私たちは記憶をもち続けながら、現実を直視したたたかいが必要なのだ。

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