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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2633号/13.09.02

ぼくは満員電車で原爆を浴びた

米澤 鐵志 語り 由井 りょう子 文 小学館(定価950円)

書籍画像

 「あの時も朝から暑かった」と暑い8月になると広島生まれの私は、教師や親族から原爆の恐ろしさ、戦争の愚かさを聞かされていたことを思い出す。同年代の少年少女が苦しみながら死んでいった話だった。
  本書は、68回目の8/6「原爆忌」の前に出版。満員電車で原爆を浴びた11歳の少年が生きぬいたヒロシマ。爆心から750メートルの電車内で被爆。その電車を降りて母親と避難する間に目に入った光景、10日後に急性放射線障害を発病し死線をさまよった、つらい記憶を記す。母親は2週間後に死去。その母の乳を飲んでいた2歳の妹も秋に死んだ。
  福島原発事故は2年を過ぎても、収束のメドはたたない。15万の人が故里・福島を追われ、いまも放射能汚染が続き、人びとに恐怖を与えている。「人類と核は共存できないことを、あらためて強く感じ、広島での僕の体験を本にして残すことで、少しでも多くの人に「核」と「戦争」について考えていただければ」と、あの日(8月6日)生き残り、その体験を語り続ける米澤さん。
  68回目の8/6ヒロシマ、「核は絶対悪」と広島市長、8/9ナガサキ、政府に「被爆国としての原点に返れ」と長崎市長はくり返し訴えた。戦争の記憶を絶やすな!(M)


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