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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2609号/13.03.04
 安倍政権へ移行後はじめて、2月21日、死刑囚3人への執行がおこなわれた。商業紙が伝えるのが、安倍政権のもとで、今後も執行が定期的に続けられるのではないか、という観測
▼134人が死刑囚として各地の拘置所で生活している。この間の裁判員裁判での死刑判決は16人。裁判員は悩んだ末の結論として導くという。しかし、体感治安の悪さが宣伝され、死刑判決が多くなっているのも実態
▼14日には岡山地裁が、一人の殺害に「欲求不満を解消し、証拠隠滅を図るという動機は極めて自己中心的」として求刑どおり死刑判決を出した。一人殺害で裁判員裁判で死刑判決が出たのは3例目といわれる
▼えん罪の可能性をあらゆる事件がもつとき、あるいは国家という問題を考えるとき、死刑制度そのものが問われなければならないのは論をまたない
▼20世紀はじめに社会主義者を弾圧するためにでっちあげられたのが、天皇暗殺を企てたとした大逆事件。「幸徳ノ為メニ弁ゴ士ノ御世話ヲ切二願フ…彼ハ何モ知ラヌノデス」と書いたのが菅野すがだった
▼針で紙に穴を開け、看守の目を盗んでもち出し、別の囚人によって投函されたもので、最近発見された。首謀者とされた幸徳秋水はえん罪だと訴えたものだ
▼たいして幸徳は死刑に「これ私の運命である」と手記に書き、刑場に散った
▼えん罪、国家権力の問題を、いまも大逆事件は照らし、問い続けているのだ。

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