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コラム
荊冠旗 第2667号/14.05.19
 7月下旬にハリウッド映画が上映される。タイトルは「GODZILLA」(ゴジラ)。16年前にハリウッドで作られたゴジラはまるでトカゲ。ピョンピョンと烏のような足で飛び回った。ゴジラファンががっかりするほど本家に似ていなかった
▼昔、弟をゴジラの映画に連れて行くと、劇場は子どもだらけ。物語の会話場面では会場中がガヤガヤ。ところがゴジラが登場するやいなや、瞬きもせず、画面に食い入り、会場はシーン。まあ、こんなものか、と驚いた
▼今回のゴジラは本家に似ているようだ。ゴジラは、1954年に登場。広島、長崎への原爆報道が解禁され、被害実態が広まり、米の水爆実験で第五福竜丸が被爆した年に制作された
▼水爆被爆は、じつは第五福竜丸だけではない。被爆した人びとは2万人にのぼるといわれる。たとえば高知県室戸市から出発した漁船も被爆しているが、当事者や関係者が隠し、沈黙を守ってきた、という実態がある
▼ゴジラは日本人の反核意識に根ざしてつくられたのだ。今回の米国産ゴジラは、日本での震災と原発事故を契機にしたものだ
▼「いちえふ」というマンガが売れている。福島第一原発の廃炉作業をそこで働く労働者が描く。作者は、再稼働は原発をコントロールする技術をもつためにも必要と肯定する
▼ゴジラ映画は、原発崩壊という場面も描くという。原発を考える好機となるなら、すべての場面をシーンとして見るのだが。

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