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部落問題資料室
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主張

 

狭山再審闘争を拡大し
10・31へ大結集しよう
(2001.10.15-第2040号)

 狭山事件再審弁護団は、こ異議審で八通の新鑑定を提出している。これらは、脅迫状、足跡という確定判決(二審・東京高裁の寺尾判決)が重要な客観証拠としてあげたものにかかわる。脅迫状、足跡が有罪証拠とされた根拠は警察の鑑定である。弁護団の新鑑定は、これら有罪証拠とされた警察の筆跡鑑定、足跡鑑定のズサンさ、棄却決定の誤りを科学的に明らかにしている。
 とくに、この異議審で、決定的ともいえる無実の新証拠が明らかになっている。狭山事件で犯人の残した脅迫状封筒の「中田江さく」の文字は犯行当日より以前に書かれたものであるという斎藤第二鑑定の指摘である。つまり、真犯人は被害者を知っている人物であるということが、脅迫状それ自体から判明したのである。
 そもそも、石川さんの自白のように、昼間ブラブラ歩いていて偶然出会った見知らぬ女子高枚生をとっさに誘拐することを決意した、などということは常識的に不自然である。身代金目的の誘拐を計画していたのなら、家の経済状況も知っており、金を取ることができるという見込みをもっておこなうのが普通であろう。それも小さな子どもではなくて、女子高校生が相手である。親の名前や住所をどうやって知るつもりだったのか、そもそも連れ去れると考えたのか、連行先でだれとも出会わないと思っていたのか.どこへ監禁しておくつもりだったのかなど、どう考えても不自然である。つまり被害者と何の面識もない石川さんを犯人だとするストーリーは、そもそも常識的におかしい。
 また、高校一年生でスポーツや学校の活動に活発だった被害者が、いきなり自転車を止められ、「用がある」といわれただけで、何の抵抗もなく見知らぬ若い男についていったという自白も、常識的に考えられないことである。確定判決となっている二審・東京高裁の寺尾判決は、「予期せぬことに遭遇しずるずると意に従ったことも考えられる」などというが、これこそ可能性や勝手な推測で常識的な疑問を強引にごまかしたものというほかない。
 このきわめて市民的常識からくる素朴な疑問と、元警察鑑識課員で長年鑑識捜査にたずさわってきた斎藤保・指紋鑑定士が指摘する「狭山事件で犯人の残した脅迫状の封筒の被害者の父親の名前は犯行当日より以前に書かれたものである」という新事実は、合理的につながる。偶然出会った。何の面識もない女学生をとっさに誘拐することを決め、その女学生はだまって雑木林のなかまでついてきたという自白のあまりの不自然さは、真犯人は被害者を知っている人物であるという新事実によって氷解した。脅迫状は石川さんと結びつかず、犯人は石川さんではありえないということである。
 東京高裁第五刑事部の高橋省吾・裁判長は、異議審で明らかになった新証拠を十分検討し判断しなければならないが、再審棄却決定のように「指紋は必ず検出されるとは限らない」といった何ら国民を納得させられないいい方でごまかすことは許されない。市民のだれもが感じる常識的なおかしさと、犯罪鑑識の専門家によって証拠上明らかになった新事実を総合的に見なければならない。

 これら異議審で明らかになった新事実をふくめて、東京高裁の高橋裁判長は鑑定人の尋問など事実調べをおこなうべきであり、再審開始は不可避であるといわねばならない。
 弁護団の六月四日の補充書提出から四か月が経過し、ひきつづき状況は緊迫しており、徹底して教宣活動を強化する必要がある。
 「無実の叫び」「無実の叫び2」といったピデオやカラー・リーフレットなどを十分活用し、この10・31狭山中央集会に向け、各地で決起集会、真相報告集会をひらいたり、街頭宣伝にとりくもう。
 九月には二つの住民の会が結成された。さらに全国各地で住民の会を結成しよう。東京高裁、東京高検への要請ハガキを集中し、高橋裁判長に、鑑定人尋問、再審開始と「証拠リスト」の開示命令を強く求めよう。

 福岡地検の検事による裁判官への情報漏洩事件で、法務省、最高裁は、「検察官が市民感覚からずれて独善に陥っているという批判を真に受け止め、検察官の意識改革を図るぺく「市民感覚を学ぶことができる」ようにすると発表(三月九日の森山法務大臣発言、法科省調査結果)している。
 検察官が手持ち証拠を開示せず隠匿しているという狭山事件の実態こそ、市民感覚からズレた独善的で不公平、アンフェアな姿勢のあらわれである。東京高裁・高橋裁判長もこうした検察官の証拠隠しの姿勢にいまだに開示勧告もしていない。公平で公正な裁判を実現するべき裁判所の責任としても、検察官に「証拠リスト」などの開示を命じるべきである。狭山再審闘争と結びつけて、誤判を教訓にした司法改革を、市民的な運動で断固すすめよう。

 

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