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部落問題資料室
NEWS & 主張
四国学院生への差別投書事件で
「犯人も社会の犠牲者社会システム改善を」
事件の被害学生が講演で訴え
第2の自分をつくらぬため

「解放新聞」(2002.8.26-2083)
 【香川支局】四国学院大学学生への差別投書事件(前号既報)の被害者であるTさんは六月二十六日、同大学の聖恵館で講演をおこなった。みずからがうけている差別の恐ろしさを訴えながら仲間の大切さ、部落解放運動のすばらしさを伝え、陰湿な差別事件の解消には社会システムの改善が不可欠、と語った。
 「二年半の苦闘とその中の光~自らが体験した部落差別」と題したこの講演には、同大学の学生をはじめ、小・中学校や高校の教員、同盟員ら百五十人が参加。講演後、Tさんへの励ましや質疑応答がおこなわれた。
 講演で、Tさんは、小学校五年生で部落出身を知ったことや部落解放運動にであった経緯、大学への入学の動機などをのべ、差別メールや差別投書が飛び込んできたときの心境を語った。犯人も社会の犠牲者、この社会システムを改善しないと差別はなくならない、事件を経験としてとらえて人生に生かしたい、それができるのは「明日という光に向かって、仲間と歩んでいける」から、第二の自分をつくらないために学院生一人ひとりが自分のこととして受けとめてもらいたい、とまとめた。
 大学にたいしてはTさんは事件への対応のまずさを指摘。もっと即座に対応してもらいたかった、なぜ部落出身者の特別枠を設けているのか教員一人ひとりが再認識してもらいたい、と語った。
 二〇〇〇年一月一日に「オマエナンカシンデシマエコロシテヤル」という最初の差別メールがきたあと、二月から月一回送られ
てきた差別投書については、あまりの怖さに泣いて泣いて「死にたい」と思ったが、部落解放サークル「道芝」や県連、地元の教師、支部員、両親らの支えで乗り越えてきた。しかし、一番悔しかったことは自分が人間不信になり、「道芝」のなかまにさえ不信をいだき、人間関係がうまくいかなくなったこと、と語った。

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