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再度真相糾明へ
送信元のU元講師ウソの証言を認める
大阪歯科大学差別文書送付事件

「解放新聞」(2003.07.07-2127)

 

 【大阪】大阪歯科大学差別文書送付事件(本紙2124号既報)で糾弾会を6月16日午後、大阪・人権センターでもち大阪府連をはじめ大阪同企連など150人が参加した。糾弾会では、01年7月11日、大阪歯科大学の教授選考会の当日、部落問題とからめ教授候補者を誹誘中傷するファックスを送ったとして、送信を認めたものの、なぜそのようなことをしたかわからないなど不可解な証言をしていたU元講師(歯科医)が、追及のなかで自分が送信したのでないことを明言した。
 このため、U元講師にたいしては、これまで自分が犯人であるかのように曖昧な証言をくり返し、この事件の真相糾明を遅らせてきたことへの反省を求めるとともに、真相解明へ協力することを求めた。また、大学には、学長が部落問題・人権問題を理解していても、大学の教授、職員のなかで大きな落差があることを指摘。カリキュラムの設定はもちろんのこと、学内での人権教育・啓発推進の体制をきちんと作りあげ、事件の真相・全容の解明をおこなうことを求めた。
 糾弾会には、大阪府連から塩谷幸子、村井康利・両副委員長、北口末広・書記長、赤井隆史・書記次長はじめ府連執行委員、大学側からは理事長、学長らとU元講師が出席した。

犯人不明、ふりだしへ

 大阪歯科大学差別文書送付事件の糾弾会を6月16日にひらき150人が参加。糾弾会で、ファックス送信を認めたものの不可解な証言をしていたじ元講師は、追及のなかで自分が送信していない、と明言した。

大阪歯科大差別文書を糾して

 【大阪】大阪歯科大学差別文書送付事件の糾弾会では、教授選考会の当日、ファックス送信をしたことを認めてきたU元講師は、「ファックスの送信元はおまえだから、といわれると、そう認めるしかなかった。送らなかったと証明できない。(犯人と)違うけれども(犯人は)おまえだといわれれば、しようがない」と語ったが、真相を語ってほしい、という強い追及の前に、自分自身がフアツクスの文章を書き、送信したのではないことを認めた。U元講師宅は宗教関係の道場もかねており、150人位の関係者の誰かがいつもいる、という状況も明らかになった。
 このため、U元講師には、①差別文書そのものに怒りをもつこと②真相究明を妨害したことに反省を求めた。U元講師は、怒りはある、(自宅のファックスが使われたことでの)責任の取り方が誤っていた、とのべた。
 学長は選考会の日に送られてきた文書について、選考会などではこれまでもスキャングラスな内容の怪文書が出回るようなことがあったが、今回のものは差別文書なので、その意図、誰が送ってきたのかなどの事実関係の把握をしようと思って選考会を延期したことを語った。しかし、そのとき「こんなことぐらいで」という教授もいて、これに怒りをもった、とものべた。また、ダイヤルインで教授の部屋に通じるが、そこへ直接ファックスされていることなどから、内部事情に詳しいものであること。送信表をみれば誰からの文書かわかると秘書に教えられ、そこからU元講師からのものであることがわかった、などの経過を説明した。

差別認識を求め

 こうしたことを受けて、府連からは、誹誘中傷された人だけが被害者でなく、部落差別、職業差別であることを認識し、①こんなことぐらいで、という学内の差別的な体質の問題②文書の差別性の中身の確認を③事件の全容の真相解明、などを早急におこなったうえで、次回糾弾会をもつことを確認した。

事件の経過

2001年
・7月11日 教授選考会当日に数人の選考委員の教授のもとにA候補者を誹誘中傷するファックスが送付された。内容は「B先生(選考委員)、生家が肉屋のA(教授候補者)を推せんするのはやめて~!えっ先生のお実家も肉屋で!?」というもの。教授会として公正な選挙ができないと判断し、発信等の調査の実施と教授会の延期を決定。
・7月12日 ファックス受信記録から発信先のファックス所有者から事情聴取。自宅ファックス番号であることは認めたが、発信は別の者と主張。
・9月20日 学長を誹誘中傷する郵便物が関係機関多数に送付。府連に報告。
・9月25日 教授選考会を開催。Bさんが 教授に就任。
・10月11日 府人権室に匿名文善が送付。内容は「C学長は、教授選考会引き延ばしの手段として、数名の教授のもとに、某候補者の生家は肉屋である。という内容の文書を送りつけた。また、その文書を多数コピーして学内に配布し、大袈裟に騒ぎ立てた。結果、その内容は大勢の知るところとなり、某候補者は深く傷ついた。Cの行為は断じて許すことはできない」というもの。

2002年
・2月18日 学長が府連に事実経過の報告と大学の認識・見解に関する報告書を提出。
・8月10日 ファックス送信元のU元講師からの謝罪文が府連に届く。
・10月7日 府連、大学などで協議。
・11月11日 府連がファックス送信元のU元講師から直接事情聴取。

2003年
・5月20日 「大阪歯科大学に関わる差別文書について」と題した大学の対応策が府連に示される。


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