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「人権侵害救済に関する法律」の早期制定を
実現するための決議

 

 わたしたちが抜本修正を求めてきた「人権擁護法案」は、昨年の衆議院解散-総選挙によって「自然廃案」となった。部落解放・人権政策確立要求中央実行委員会を中心にした法案の抜本修正を求める闘いは、2万1千を超える各界各層の代表署名や国会議員署名、自治体の議会決議など、広範な取り組みのなかで、与野党協議がすすめられるという状況をつくり出してきた。わたしたちは、「部落解放基本法」制定要求の闘いが、この法案を提出させてきた経過をふまえ、「人権擁護法案」の単純廃案を求めるのではなく、法案の問題点を徹底的に明らかにしながら、粘り強く抜本修正にむけた闘いを展開してきたのである。
 こうしたわたしたちの取り組みによって、国連人権高等弁務官事務所やアジア太平洋地域国内人権機関フォーラムの代表が、この法案への強い懸念と助言を表明するなど、国際的にも大きな関心と注目を集め、政府が強硬に成立を図ることを断念させてきた。また、国連の人権諸条約機関からも、国内人権委員会の独立性、実効性の確保についての勧告が相次いで出されるなど、わたしたちの闘いは国内外で大きな成果をあげてきた。
 わたしたちは、こうした抜本修正の闘いの成果をふまえ、「人権侵害救済に関する法律」(人権侵害救済法)を早期に制定させていかなければならない。「人権擁護法案」の大きな問題点であった、人権委員会の独立性や実効性を確保するために、「パリ原則」にもとづいた人権委員会創設を明記した「人権侵害救済法」制定にむけた新たな運動をすすめ、部落解放・人権政策確立実現の闘いを大きく前進させよう。
 こうした人権の法制度の確立をめざした闘いは、部落問題・人権問題の解決という国の責任を明確にさせていくものであり、とくに「人権侵害救済法」は、国の政治的責任と人権確立に関する国際的責務において、早期に制定されるべきである。またこの間、わたしたちが強調してきたように、「パリ原則」に基づいた国や都道府県ごとの人権委員会の創設は、実効性、独立性、迅速性という人権侵害救済制度の根幹をなす重要な課題であり、多くの自治体とも協力、連携しながら取り組みをすすめていく必要がある。
 わたしたちは、今後とも「人権侵害救済法」の早期制定にむけて、国会内外において広範な運動をつくり出し、国際的にも評価される人権委員会を創設させるために奮闘しなければならない。この間の闘いの成果を踏まえ、部落解放・人権政策確立にむけた大きな闘いとして、「パリ原則」に基づく人権委員会創設を中心にした「人権侵害救済法」の早期制定に全力をあげよう。
  右 決議する。

2004年3月3日
部落解放同盟第61回全国大会

 

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