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三重研成功へ各地で研究
実践をつみかさねていこう
「解放新聞」(2004.09.13-2185)

 

 10月6日から3E間、部落解放研究第38回全国集会を三重県でひらく。
 今回の全国集会は、国と地方の財政のあり方を大きく変える三位一体改革をはじめ、社会システムが大きく変わる変革の時代のまっただなかにひらく研究集会である。
 このような時代では「時を告げるよりも、時を告げる時計を作ること」、つまり新たな社会システムを創造することが、もっとも重要な課題である。日本社会も大きな変革期を迎えており、多くの分野でシステム、組織、制度が大きく変化してきているしどのようなシステムを創造するのかによって、人、モノ、カネ、情報の流れが大きく変わる。その流れ方で多くの人びとや人権状況に多大な影響を与える。

 1969年の「同和対策事業特別措置法」制定以来の同和行政は、同和地区に特別措置を導入するという手法で格差を是正するというシステムを作り上げてきた。これらのシステムは2002年3月の「特別措置法」失効とともに原則的にはなくなり、一般施策を活用することで同和行政を展開するシステムに変化した。
 多くの地方自治体では、これらの状況への誤解と曲解によって、同和行政は終結したととらえるところまででてきた。これは大きな誤りであり、1965年の「同和対策審議会答申」が明らかにしたように、部落差別が現存するかぎり同和行政は展開されなければならないのである。
 また、これからの同和行政は、現行の一般施策を単純に適用するということだけではない。一般施策全般を部落差別撤廃・人権確立のために活用・改革・創造することであり、行政システムをはじめとする社会システム全般を差別撤廃・人権確立の方向に役立つようなシステムにすることである。
 「特別措置法」を中心に展開されてきた同和行政は、同和地区と地区外との格差を是正するために「特別措置」を展開することに力点が置かれ、格差を生みだしている原因である社会システムへの問題意識をかなり希薄なものにした。
 つまり行政機関をはじめとする社会全体のシステムを対象にするという観点を大きく後退させた。

 部落解放運動も、劣悪な部落の実態の克服が中心的な課題であったことによって、法にかかわる問題といえば、同和対策にかかわる「特別措置法」にのみ重点が置かれ、その他の差別や人権にかかわる重要な法や制度改革への間璧息識を隅ずみにまで広げることができなかった。
 それらの状況を少しでも克服したのが、狭山闘争や『部落地名総鑑』差別事件糾弾闘争などのとりくみであり、「国際人権規約」をはじめとする人権諸条約の批准運動や「部落解放基本法」制定の運動であった。これからは部落差別撤廃、人権確立に焦点をあてた社会システム全体への問題意識を高める必要がある。
 以上のように、既存の制度やシステムを変え、創造するという発想が、こんにち強く求められている。私たちはこれまで同和行政にかかわって、既存の制度やシステムをいかに守り、維持するかということに重点を置いてきた。そのために新たなシステムを創造するという視点がかなり脆弱になった。それらを再度、強化する必要がある。
 本研究集会は、そうした理論や方針、政策を創造するための集会である。全国各地の実践をふまえた論議をつみあげ、部落解放研究第38回全国集会を成功させよう。


 

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