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差別の現実直視を
法務省に民間レベルの合意に介入するなと

「解放新聞」(2004.09.27-2187)

 

 法務省交渉を9月8日午後、省内でおこなった。これは、中央実行委員会主催の集会後おこなったもので、中央本部から松岡書記長、高城統制委員長、和田中執はじめ各都府県連代表20人が参加した。省側からは土持敏裕・人権擁護局総務課長、山野幸成・人権啓発課長はじめ8人が出席した。交渉では、概算要求での部落問題にたいする啓発の位置づけ、「人権擁護法案」廃案の総括と今後の方向、深刻な差別事件の実態への認識と対処などで意見を交わし、今後も継続して意見交換をつづけることを再確認した。
 05年度の概算要求については、省側はハンセン病、子どもの人権問題での対策の充実強化を強調するものの、人権啓発委託事業などでは「重要な人権問題と認識している」(土持総務課長)としながらも、部落問題についての考え方を示した上での予算執行や委託でない現状が明らかになった。このため、「意見具申」にある、これまでの成果を引き継ぎというか所があることをふまえ、明確に位置づけることを求めた。
 また、熊本では市町村行政関係者も含め人権擁護審議会をつくっているが、人権擁護委員がその委員になっても、法務局から参加するなという指示がで、参加しない実態があることが高城統制委員長から示された。これにたいし省側は、熊本での事実関係を調査することを明らかにした。
 「人権擁護法案」の廃案を受けて、省としてどう総括し、今後の方向をどうするのかについては、実効的救済を図るために早期に法案を再提出したい、法案については国会の状況、諸情勢の変化などをふまえ検討中、とした。
 松岡書記長は、人権侵害とは何かをきちんと規定しないと、さまざまな差別の問題がこぼれ落ちてしまう点を指摘し、救済のためには各省の横断的な連携が必要、とのべるにとどめた。
 差別事件については、インターネットを通じたものや、ハガキ脅迫事件などを例にあげながら、インターネットではプロバイダーに削除を求めることもしている、とした。
 これにたいし和田中執は、インターネットでの差別事件は、戸籍など個人情報は公開が原則と政府がしてきたことにたいし、それがネットの世界にきただけ、公開が原則という部分を考える必要があることを指摘した。
 松岡書記長は、一つひとつの現実、差別事件を大事にしながらとりくんでほしい、と要請。最後に、確認・糾弾会への出席などは民間レベルで合意したことなのに、「それに出席するな」などの法務局などによる指導は、民間レベルの合意への介入、そうしたことのないように、と要請した。


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