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推進員が差別面接
出生地を再三質す
差別質問との指摘うけても

「解放新聞」(2004.09.27-2187)

 

 【大阪支局】「出生地をいわないと、うちでは営業できない」と、社内で公正採用や人権啓発をすすめるべき「公正採用選考人権啓発推進員」が職業安定法・労働大臣指針に違反する差別面接をおこなっていた事件の糾弾会を、8月24日、大阪人権センターでひらいた。

糾弾会で被害者に
担当の常務が謝罪

 糾弾会には、N社から社長、S常務、親会社の役員、職業紹介業者J社の関係者、大阪労働局などの関係者らが出席。府連からは、執行部、各支部,同企連の代表らが出席した。
 事件を起こしたのは、電気・電子機器材料の販売を手がけるN社(大阪市)のS常務。糾弾会では、S常務が事件の被害者Tさんに謝罪し、これまでN社が人権問題のとりくみをおこなってこなかったことが原因の一つであることを認め、今後N社とその親会社をふくめて積極的にとりくんでいく姿勢を示した。
 差別面接したS常務は、7年にわたって「公正採用選考人権啓発推進員」を担当していたにもかかわらず、法や指針を「本で読んだことがある」と「知識」としてもっていたと証言した。しかし、その趣旨をまったく理解していなかったことは面接時のやりとりからも明らかだ。S常務は、推推進員研修にはほとんど出席しておらず、また、N社の社内人権研修は皆無の状態だった。
 今回の事件は、Tさんの勇気ある告発で明るみに出たが、同様のケースは水面下に数多く存在する。採用する側とされる側という圧倒的な力関係で、たとえ差別的な質問をされ傷ついても、なかなか指摘はできない。多くの人が泣き寝入りしているのが現実だ。
 府連では▽S常務にたいしてあらためてTさんへの謝罪とともに、反省文と今後の決意を文章でまとめること▽N社と親会社については、社長名での見解・総括、同和問題・人権問題のとりくみの基本方針策定・実施、同企連への参加▽大阪労働局にたいしては局長名での見解・総括、こうした事件が再び起こらないようなシステムづくり▽J社には社長名での見解・総括、こうした事件への対応マニュアルと救済支援のシステム作り、などを10月をめどとしてとりくむようあらためて要請した。

事件の概要
「部落差別をうけたことがあるのか」とも
 事件は昨年9月、職業紹介業者J社の紹介でN社の面接に訪れた福岡県の被差別部落出身のTさんと面接官であるS常務とのやりとりのなかで起こった。
 S「出身は福岡だそうだけど、福岡のどこなの?」
 T「その質問にはお答えできません」
 S「じやあ、この面接はここで終わりだ。出身地をいわないとうちじゃあ営業できないよ」
 T「しかし、出身地は私の能力や性格とは関係がないし、実際に職業安定所も禁止している質問のはずです」
 S「うちじゃあお客さんに出身地を聞いて、話をすすめることがあるから、そんなんじゃ営業は
できないよ」
 T「しかしまだ部落差別の問題もあるので出身を聞くべきではないと思います」
 S(強い口調で)「部落差別を受けたことがあるのか!」
 T「はい」
 S「そうか、俺も広島でそんなの見てきて育ったけど。お互いスタイルがあるから。うちとして
もあなたのスタイルを変えるつもりはない」
 T「出生地に関する質問は本当に求職者にたいしてすべきではないと思うんです」
 S「でもうちじゃ営業で出生地を聞くこともあるから」
 Tさんは違反質問であることを何度も指摘したが、S常務が「出生地」にこだわり、「部落差別を
受けたことがあるのか」との問いで事実上部落出身であることを確認されたことから、差別面接で
あると判断し梅田職業安定所に申し出、職業紹介業者のJ社にも報告。大阪府人権協会にも相談し、事件が明るみに出た。

 

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