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啓発の改善へ
差別・偏見認めて謝罪
羽生病院での差別発言糾弾会で

「解放新聞」(2004.11.08-2193)

 

 【埼玉支局】「あの辺の○○はみんな、これだ」と昨年11月に羽生市内の病院で起きた差別発言(2163号で既報)の第2回糾弾会を10月9日、久喜市役所でひらいた。3月の第1回糾弾会(2174号で既報)では、差別発言をしたMに反省の態度がみられず、むしろ根深い差別意識が浮き彫りにされたが、今回の糾弾会では、Mは「その後、いろいろ教えてもらって自分の発言がいかに相手を傷つけるものであったか、よく分かった」とのべ、反省の姿勢をあらわした。

深く傷つけた

 糾弾会には、部落解放同盟から片岡明幸・県連委員長や地元の埼葛郡市協議会など80人が参加、差別発言をおこなったM、久喜市側から田中喧二・市長はじめ幹部職員や人権教育関係者ら60人が出席した。
 この羽生病院差別発言事件は、昨年11月、羽生病院に見舞いに来ていたM(68歳)が、二人の部落出身者の前で「あの辺のまるまる(名字)は、みんなこれだ」と四本指を示して侮辱したもの。今年2月に事実調査会、3月には第1回糾弾会をおこなっている。
 糾弾会では、小野寺一規・県連書記次長が経過報告と問題提起をおこない、Mにたいして現在どう考えているのか質問した。
 Mは「(四本指のジェスチャーは)子どもの頃から意味も知らずに使っていた。人を傷つけるようなことだとは思ってもいなかった。今回指摘され、3月以降、市の広報とか啓発ビデオを見て、大変なことをしてしまったんだと深く反省している」と回答した。
 参加者は「意味もわからずに、四本指を出したり、『あの辺の○○は、みんなこれだ』ということはありえない。部落への差別意識があったからだ」と追及。
 Mは、四本指を出す行為が「同和」地区を侮辱する行為と知っていたとのべ、その上で「自分のなかに部落の人を差別する気持ちがあったことは事実です。今回指摘を受け、自分の差別意識、偏見に気づいた。部落の人を深く傷つけてしまい反省している」と謝罪した。また「今後は、回りの人にも間違いを指摘できるように学習を深めていきたい」と決意をのべた。
 つづいての久喜市との話し合いでは、「これまでの啓発、研修のあり方についてふみ込んだ総括が必要ではないか」などの意見があいつぎ、今後の啓発のあり方について市が考えをまとめることを約束、原案ができた段階で再度の話し合いをもつこととなった。


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