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部落問題資料室
NEWS & 主張
差別を認め謝罪
「四つ足の動物以下」と説明
行田市の病院内で看護師が
「解放新聞」(2005.2.28-2208)
 【埼玉支局】県連は、昨年12月20日、行田市地域交流センターで「村越メディカルクリニック差別事件」の糾弾会をひらいた。

自分のなかに
偏見があった

 この日の糾弾会には、行田市からは、横田昭夫・市長をはじめ市の幹部職員など42人が出席。解放同盟からは片岡明幸・県連委員長ら116人が参加した。
 差別をおこなったK看護師は、「同僚の看護師や同和地区の人たちに大変申し訳なく思っている」「同和問題や差別問題に無関心だった」「市の研修会をとおして、差別される人たちのつらい思いや悲しさを知ることができた」と語り、謝罪した。また、「同和地区の人たちは、自分たちとはちがう人たち、程度の低い人たちと、自分のなかに偏見があった」とのべ、「今後、差別をなくしていくために努力していきたい」と語った。
 さらに、K看護師は、18年前から行田市に住んでいるが、「これまで一度も研修をうけたこともなく、医療機関でも一度も研修をうけたことがない」と話した。
 なお、「同和問題をどこで知ったのか」という質問にたいしては、「誰かははっきり憶えていないが、行田市に住んでから近所の人か、看護師さんに聞いた」と語り、「その時の印象が強くて、その後、間違った認識のままきてしまった」とのべた。
 行田市の横田市長は、「研修会や啓発活動を見直し、人権宣言都市に恥じないように努力をしていく」とのべた。県連は、「市として、今回の事件の受け止め方と見解を、あらためて文書で示してもらいたい」と要請した。
 片岡県連委員長は、「偏見を植え付けられるのは簡単だが、一度植え付けられた偏見を消すのは容易ではない」「医療機関で研修がおこなわれていないことをあらわした事件だ。地元の医師会や県の医師会など関係機関に問題提起していきたい」と語った。
行田市・村越クリニック差別事件の概要
 この事件は、昨年7月に同医院で患者の一人が、診察を終えて先に帰った男性患者にたいして、4本指を出す行為をおこない、看護師の一人が先輩のK看護師にその意味を尋ねたところ、「この辺の人は、M地区の人にたいして4本指を出して合図するんだよ」と教え、「四つ足の動物以下という意味だそうよ」と説明した事件。説明したのは、行田市に住む47歳のK看護師。

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