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部落問題資料室
NEWS & 主張
すべての患者が人間として
被差別側の憤りと思いを
「解放新聞」(2006.05.22-2269)

 【滋賀支局】「矢橋中央病院カルテ差別事件」と「老上小学校で発生した差別落書事件」の合同総括学習会を、2月24日、草津市橋岡教育集会所でひらき、草津市内の各種団体などから320人が参加。橋岡支部の寺田紳子・女性部長が「被差別側の思いと願い」を朗読し「ともに闘っていきしょう」とよびかけ、今後のとりくみを確認しあった。

2事件の合同総括
学習会に320人が

 学習会では、矢橋中央病院カルテ差別事件(カルテ差別事件)と老上小学校で発生した差別落書事件(落書事件)を一括で取りあげ、①両事件(別項)の概要ととりくみ経過の報告②矢橋中央病院と市立老上幼稚園・老上小学校のとりくみ③草津市・草津市教育委員会の見解発表④県連橋岡支部から「被差別側の思いと願い」の発表があり、これらを受けて県連がコメント
し、最後に北口末広さん(近畿大学教授、大阪府連書記長)が基調講演で両事件を鋭く解明した。
 学習会は、草津市助役で同村本部長の山崎寛治さんが「草津市は同和問題の解決を市の総合行政として市民あげて推進してきたが、今回の事件で弱きが露呈したといわざるをえない。今後、啓発・教育をさらに強めていきたい」と決意をのべた。
 両事件のあらましととりくみの経過報告のあと、県連の丸本千悟・書記次長が、①矢橋中央病院は、院長の差別発言事件を機に「えち福祉のひとづくり実行委員会」をつくり解放同盟愛知郡協と福祉活動をつづけている近江温泉病院の教訓を学んでほしい②U医師は「差別する意識なしに、配慮不足」と見解でのべているが、無知は善意ではなく犯罪を生む。このことをしっかりふまえて今後のとりくみに生かしてほしい③落書事件は「確信犯」の仕業である。東京・連続ハガキ差別事件の犯人逮捕のきっかけをつくったのは青梅市の職員。あきらめることなく犯人をつきとめてもらいたい、と3点をコメントした。
 橋岡支部の寺田女性部長は、「部落差別を助長拡散する事件が発生し、私たちの病院にたいする期待はあわくも崩れ去った。医療現場で患者への接し方は、部落問題にたいする理解と同じ。すべての患者が人間として最大限尊重され、患者のすべての人権が大切に守られるべきではないでしょうか」と被差別側の憤りと今後への思いと願いを発表した。

両事件の概要

カルテ事件
 02年11月1日、橋岡町のNさんが矢橋中央病院内科で健康診断を受診。同月6日、Nさんは健康診断の検査結果のため受診。同行した橋岡会館の職員がカルテに「橋岡会館(同和地区)の人に送ってもらった」と記載してあるのを発見。
落書事件
 04年11月18日、草津市老上小学校の大人使用の女子トイレに「エタ ヒニン」と書かれている差別落書を老上幼稚園の職員が発見。落書は、黒のマジックでタイル上の白壁にタテ10センチ、ヨコ35センチの大きさで書かれていた。

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