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部落問題資料室
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主張

 

第50回全国青年集会へ
準備を重ね結集しよう
「解放新聞」(2006.08.14-2281)

 部落解放第50回全国青年集会を、9月16日から3日間ひらく。「原点にかえる」ことをスローガンに、第1回と同じ小豆島中央公民館を主会場におこなう。
 第1回全青がおこなわれた1957年は、国策樹立要請全国会議の前年、日本が敗戦による占領統治から独立してまだ5年目、同和対策審議会も答申も、「特別措置法」もない時代である。しかし、部落解放運動を担う全国の部落青年の代表400人が小豆島に結集した。いらい半世紀の時をへても、部落解放への情熱は、変わらず受けつがれている。第50回全青への青年の結集を訴える。

 第50回全青では、第1回の参加者との交流も準備されている。当時の記録から、実態的差別のとらえ方も確立されていないなかで、青年が差別に晒されながらも、部落内に根強くある「寝た子を起こすな」意識と闘って仲間の組織化に奮闘する姿がうかがえる。
 しかし、この50年間、「寝た子を起こすな」は払拭されずにある。現在の青年の間にも「寝た子を起こすな」意識は根強い。こうした意識をのりこえて青年を組織することは、全青でも一貫して大きな課題として議論されている。
 「寝た子を起こすな」意識は部落差別の厳しさの裏返しである。行政書士による戸籍不正取得事件への糾弾闘争から、新たな「部落地名総鑑」が発覚した。差別身元調査が蔓延している証左だ。結婚差別事件もあとをたたない。より巧妙に姿を隠しながら、部落差別は今もわれわれを取り巻いている。
 個個の差別事件にたいしてわれわれは、断固として糾弾闘争を展開するが、その先頭に青年が立つこと、また、青年が活躍できる同盟組織であること、が重要である。全青には、差別事件をはじめ青年自身の日常に生起する事柄のなかに潜む部落差別をとらえ、部落内外に伝え、解放への情熱を喚起し、組織していく、そうした具体的な現実に沿ったとりくみをもちよってほしい。

 50年の間に青年をとりまく状況は様変わりしている。日本は世界第2位の経済大国となったが、一握りの持てる者と、多数の持たぎる者とに二極化する傾向を強めている。若年者の失業率は高く推移している。「フリーター」が不安定就労であることが露見し、ニート問題も指摘されているが、政府に青年への施策は乏しい。
 青年の未来は決してバラ色ではない。こうした状況が部落の青年におよぼす影響に、われわれは細心の注意を向けなければならない。今こそ、部落解放運動が創り出してきたものを、次代を担う青年に注ぎ込み、青年自身の運動を鼓舞しなければならない。
 第50回全青では原点にたちかえり、青年の力で、今日の条件のうえに新たな部落解放運動の地平を切りひらいていくのだという情熱と、その実践を交歓しよう。全国の青年の結集で、全青を成功へ導こう。

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