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部落問題資料室
NEWS & 主張
「人権侵害」で部落差別が最多
隣保館社会調査事業の集計で
「解放新聞」(2007.09.17-2336)
 【京都支局】部落差別撤廃・人権政策の確立に向けて、部落差別の実態や課題を見直そうと7月24日、部落解放センターで隣保館社会調査事業集計結果学習会をひらき、40人が参加。調査の結果で、「人権侵害」のトップが今日なおも部落差別であることが明らかになった。

学習会に40人が参加

 この集計結果は、隣保館事業の活性化や人権啓発事業の企画・運営に役立てるという目的から、地域住民に生活実態やニーズを把握するための隣保館社会調査事業(隣保館を設置している関係19市町による「隣保館社会調査事業連絡協」が実施)が03年からおこなわれていたもので、集計がまとまり、この日の学習会となった。同協議会からも8人が参加した。
  学習会では、大野昭則・府連委員長が、「どのように部落解放の実現をはかるべきか、それぞれが知恵をだしあい、行動すべきである」とあいさつ。笠置町~長岡京市までの山城地区、亀岡市~舞鶴市までの中・南丹、宮津市以北の丹後に分けられた、各分野ごとの調査結果がつぎのように説明された。

分野ごとの調査結果

 ①「人口および世帯状況」では、各地域とも高齢化率が高い。中・南丹、丹後では若年者が減少しており、仕事を求めて都会に出て行く傾向がある。4人世帯が多く、核家族化している。
  ②「住宅の状況」では、丹後で持ち家、中・南丹と山城では公営の賃貸住宅率が高い。
  ③「就学の状況」では、各地域とも保育園に通っている率が50~60%にのぼる。子育てに悩みをもっている人が多く、小・中・高の子どもをもつ親は、「家庭でのしつけや教育が思うようにいかない」という意見が多い。
  ④「学歴構造」では、小・中学校しか出ていない人が、50歳以上で多い。
  ⑤「就業構造」では、有業率が50~60%。南部の中・南丹、山城にいくほど無業率が高い。有業者のうちの雇用者は65~75%だが、常雇いは50%。無業者で若年層ほど就業希望の割合が高い。55歳以上の有業者は、中・南丹、山城で30%、丹後で45%に止まり、建設・サービス。製造業が多い。
  ⑥「人権侵害の状況」は、「見聞きした」「受けたことがある」が10~25%で、これらのなかでも部落差別にかかわるものが中・南丹、山城で80%、丹後で50%にのぼる。内容は、丹後・山城で「結婚問題」が多く、差別の厳しさをあらわしている。ついで「日常生活」「仕事上のつきあい」「学校」などが示された。

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