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部落問題資料室
NEWS & 主張
公正採用選考へ決意
指摘うけとめ文書化へ
原因掘り下げ福井県行政に反映

「解放新聞」(2008.03.31-2363)

 【福井】県、市町など公的機関での職員の公正採用選考について長年にわたって65機関中32機関が本籍や家族欄などの収集など違反をつづけてきた問題(2286 2327 2338 2347号既報)で3回目の意見交換を3月17日午後、嶺南振興局敦賀合同庁舎でおこない、2回の事実確認をふまえた1月7日付の県からの「見解」をもとに不十分点を指摘。なぜ属性を調べることが差別になるのかを掘り下げ、横断的組織のたちあげなどについて、あらためて文書化することなどを確認。意見交換は今回で中間総括とすることとし、文書と今後のとりくみを見守ることになった。
  意見交換には、福井県連から浜岸政幸・委員長はじめ3人と中央本部の西島書記次長、北陸事務所が参加。県などから品谷義雄・健康福祉部長など18人が出席した。
  品谷部長は、不適正な採用選考を長年おこなってきたことについて、「残念」ではすまない。何が原因かを掘り下げ、差別のない採用選考を実現したいと冒頭に表明。さいごに、もっと浸透していると思ったが恥ずかしい。知事にも報告し、とりくむ。心の叫びをうけとめ、指摘をうけとめた文書にしたい、との姿勢と決意を表明した。
  部落解放同盟からは、今回の問題を教訓とし前向きにうけとめ、差別のない社会へ全庁にいきわたる施策をと要請した。

2回の確認ふまえ提起
公正採用選考で福井県に
採用選考にかかわる全項目を点検・改善、原因の内部検証など県・市長が取り組み

 【福井】公的機関での職員公正採用問題に関する福井県行政などとの意見交換(3月17日・敦賀)では、冒頭、浜岸政幸・県連委員長が、この間の事実確認のなかで、県行政のなかで横の連結がとれていないことがわかった。みなさんの子どもも、就職したいところへいかせたいはずで、公正採用選考違反を「認識不足」ではすまされないことを強く指摘。中央本部の西島書記次長も、「慣習」という名のもとで長い間おこなわれてきた身元調査での苦しみに思いをはせれば「慣習」ではすまないと、これまでの2回の事実確認をふまえて提起し、再びくり返さないための議論をとよぴかけた。
意見交換では、1月7日付の福井県の見解、福井県町村会文書をもとに問題をつぎのように提起し、あらためて文書化し、具体化することを確認した。
①見解文書が福井県健康福祉部人権室名になっているが、市町村課、労働政策課、教育行政にもかかわる問題であり、県全体を見渡せる対応が必要②本籍、家族状況を調査することが人権上の問題としか書かれてなく「部落地名総鑑」や戸籍不正取得事件などとのかかわりもふくめ、なぜ個人の属性を調べることが差別かを掘り下げ文書化を③職員採用試験を委託している県町村会に統一応募用紙や職業安定法改正についての情報が「共有がなされていなかった」原因の掘り下げを④教育委員会は、なぜ進路指導担当教員や生徒から一度も指摘や提起がなかったのか、その原因をさらに掘り下げを⑤知事部局、教育委員会を横断する全庁的な推進組織のたちあげが必要⑥県町村会も「受け身」ではなく積極的に研修などのとりくみを、など。
これまでの経過はつぎのとおり。
 06年3月 福井市消防本部の家族状況調査表問題が石川県の受験報告で発覚。石川県から福井県へ照会。福井県連にも調査の連絡。
 4月 福井県に「公的機関における職員採用の実状等に関する要請書」を送付し、調査と実態把握を求める。
 8月 福井県交渉で問題提起。県人権施策推進審議会で32機関で違反と報告。
 07年7月 第1回事実確認と意見交換。
 8月28日 福井県交渉。
 10月23日 第2回事実確認と意見交換、文書での整理を要請。
 08年1月 福井県からの「見解」ぅけとる。
 3月17日 今回の意見交換で中間総括。
 この間、県、市町など関係機関は、応募用紙、面接事項、作文のテーマ、健康診断などの全項目を点検・改善と原因の内部検証をおこなうとともに「公正採用選考チェック表」(受験報告書)の統一と見直しにとりくんできた。


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