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部落問題資料室
NEWS & 主張
主張

 

鹿児島全青で団結固め
困難な現実打ち破ろう
「解放新聞」(2008.08.04-2381)

 「つながりを広げ、団結を固め、青年の多様な参画で部落解放運動の「再生・改革」を成し遂げよう!」をスローガンに、部落解放第52回全国青年集会を、8月23、24日の日程で、鹿児島市中央公民館を主会場におこなう。初の鹿児島開催に、全国の青年の解放への熱意が結集することを期待する。
  まさにいま、昨年の提言委員会の「提言」を受け、同盟をあげて組織の改革と運動の再生にとりくんでいる。とくに都府県連・支部指導部にあっては、そうした「再生・改革」運動を青年をはじめとする老若男女すべてが参画する運動とすることに配慮されたい。そして、鹿児島全青へ1人でも多くの青年を送り出してほしい。

 不安定な非正規雇用が労働者の3分の1をこえた。青年世代の非正規雇用の割合も高い。不安定就労は部落の抱える大きな課題であるが、いまや部落に限った問題ではなくなっている。貧困もそうだ。働く人の約4人に1人、1200万人以上が年収200万円以下である。いまや貧困は看過できない社会問題となっている。これらは、この間の政府・与党による構造改革政策の結果である。規制緩和でごまかし、働く権利を侵蝕し、福祉や医療、教育・子育てといった社会保障を切り捨てた。その結果、社会の格差は広がり、貧困が拡大している。貧困が世代をこえて引き継がれる問題さえ指摘される社会となっている。
  ただ、貧困や失業が部落に限ったことではなくなっているとはいえ、部落問題が貧困問題や就労問題に解消されるわけではない。われわれが闘いのなかで明らかにしてきたように、あれこれの社会問題が部落に集中してあらわれていることが差別なのである。しかも、行政書士による戸籍等不正取得事件からも、〝本人に知られず差別する″狡猾な排除のしくみが露見している。部落差別は依然として深刻だ。であるからこそ青年は、今日の課題として仕事保障にとりくもう。

 たしかに、今日の青年が置かれている現実は悩ましい。解放運動の前進が、皮肉なことに、「出身を明かさずにおく可能性」を広げている。〝本人に知られず差別する″しくみが、差別から逃れたいと思う心情につけいり、「差別は昔のこと」という幻想を強めてもいる。ましてや失業・貧困が差別だとは思えないかもしれない。しかし、差別はある。出身を語るとき、ほとんどの青年が相手に羨望や受容は期待せず、誤解や拒絶を心配することが、何より差別の存在を物語っている。学習を深め理論を鍛え、今日の部落差別を白日の下に曝そう。そして、仕事保障をはじめとする日常の課題に対峙し、解放運動をすすめよう。社会問題が部落に集中してあらわれるのなら、これにとりくむわれわれは、同じ問題に苦しむ他の人びととつながることができる。そうしたつながりを広げていくことが、社会を変える力となるに違いない。
  青年部活動を集め交流し、つながりを広げ、団結を固め、困難な現実を打ち破る鹿児島全青にしよう。

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